だから、旅は面白い。
スコピエのゲストハウスを出てからおよそ36時間。ようやく成田空港を出られる。機内泊以外、つまり現地のゲストハウスやホテルに泊まったのは6日間、出発したのは9日前。移動にかなり時間がかかっていたのだなと痛感する。
昨年の11月に香港に行って以来の一人旅。香港は2泊ととても短かく移動もしていないので旅をした感じはない。
その前はお盆のミャンマー。友人と最初動いていたし、自由な感じはあまりなかった。
さらにその前は昨年のGWのマルタ・キプロス。このときは一人旅だった。つまりここまで遡らなくては一人旅に出ていないのか。それは懐かしいわけだ。
* * *
以前からこのバルカン半島には興味があった。
分類的にはバルカンではないが、スロベニアに行き、それがとても面白かったからかもしれない。というのは建前で、きな臭い感じでなんとなく昔から興味があったというのが本音だ。
この地域はビザンツ帝国・オスマントルコ・ブルガリア帝国・セルビア王国・ユーゴスラビアと文化が入り乱れている地域。
かつては危険なイメージもあったし、いまでも場所によっては危ない。
その一方で最近クロアチアは人気が出ており、ドゥブログニクを始めた地域では日本人のほか、韓国人・中国人の観光客も多いという。隣のスロベニアも大変魅力あふれるのだが、なぜかそこまでの人気はない。
ハプスブルグの歴史とユーゴスラビアの歴史が混ざっている。バルカンの付け根で、ユーゴスラビアで最も経済的に発達していた。
ギリシャは正教が強い。メテオラ以外はじっくり観光していないが、この国は島を訪れるべきとのことで、それはまたの機会に。
ケルキラはイタリアを感じる。バカンスするにもいいみたいだ。ギリシャは歴史に満ち溢れていて、どこに行ってもそれぞれの魅力がある。
アルバニア。アルバニア人が多数を占めており、イスラムが強い。
かつて鎖国をしていて、ねずみ講にはまったりという変わった国。ジロカストラぐらいしか行けなかったのは残念だが、もういいかな。
マケドニア。この国はトルコの影響を大きく感じた。社会主義らしい石像や街の作り、変わった建物。権威の象徴なのだろう。
この地域はヨーロッパの中でも本当に異文化やイデオロギーが入り乱れる、不思議な土地。
ちなみにこういうルートで動きました。
6泊です。 サランダとティラナは乗り換えのみ。
サラエボ、ベオグラードは行けていないのでどこかのタイミングで訪れたい。 国境を挟むと大きく変わる。ギリシャは隣接しているのにほぼイスラムを感じないし、先進国の趣がある(それなりに)。
アルバニアとマケドニアは交通のシステムが外部の者にはわかりにくく、仮にも親切ではない。日本という国がいかにシステマティックかよくわかる。
これらの国で似ているのは食事。トルコ料理はどこにでもあるし、そこから派生したと思われる肉団子なども類似している。パンはちょっと違ってトルコのそれが一番美味しい。
ギリシャ風サラダやイタリア料理のレストランは新しい文化として根付いている。
旅をするといろんな人と出会う。
メテオラで会った日本人。ラオスで象の頭に乗ったのが最高だったんだとか。他の人はメテオラやウズベキスタンのサマルガンドはちょっと拍子抜けだったとか。
オフリドのゲストハウスではストレスがたまる銀行を辞めて屋台をやったりもするイギリス人のおじさん。「銀行員の時はお金はもらっていたけどストレスが大変で。今はハッピーハッピーさ」って言ってたことが忘れられない。
二年間旅しているというよく喋る香港の女性。
スコピエのゲストハウスでは大道芸などをしつつお金を貯めてヒッチハイクで旅をしているロシア人。冬はスキーのインストラクターをしているというスペイン人。
17年に行ったマルタでは同い年の人に会った。ポジティブで違う視点の話がとても面白かったし楽しい、今後も仲良くしていきたい。
キプロスは旅にちょっと慣れた人ばかり。現地ツアーで同じだった日本人とは仲良くなりきれなかった。
キューバで会った日本人とキューバ人の夫婦。いまでは彼女・彼が来日する旅に会っている。ハバナでなんとか会うことができた日本人の方とは今でも交流があり、そこから仲間が増えている。
それだけじゃないんだけれど、行くたびにいろんな出会いがあって、いろんな刺激を受ける。いろんな旅の話を聞くし、国内だと絶対に聞けない話を聞くことができる。
日本でじっとしていたら出会わない日本人に会うことができるのも不思議な魅力。
わけがわからないことばかり。 拙い英語とジェスチャーでやり取りをしなければ動くこともできない。
旅は小粒でほんのり甘い。
実は小粒でピリリと辛い。
2018.5May
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