限界効用逓減の法則と旅とスイーツとレンズを買ってしまうカメラ好き

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スイーツでもラーメンでも、やはり何より最初の一口は美味しい。お酒だってそうだ。温泉も入った時が一番気持ちがいい。カメラのレンズもそうだ。初めて買った一本はとても重要だが、それ以降の喜びはだんだん減っていってしまう。

このようなことを感じたことがあるだろう。

それはなぜなのだろうか。

平たく言って慣れなのだが、実はこの現象、法則とされており「限界効用逓減の法則」と名付けられている。つまり、個人にとって物の価値は一定ではない。

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限界効用逓減の法則の例

例えば初めて海外旅行に行ったとしよう。

その費用(=市場価格)が15万円程度でカナダでも行ったとしよう。個人によって価値観は異なるものの個人にとっての価値は極めて高い。その価値が10だったとする。

2回目。またしても15万円程度でトルコに行ったとする。期待することは初めてのカナダと同等以上の価値を求めている。

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当然カナダよりも断然楽しいはずであるが、実際に感じる価値は一度目の15万円とは違うはずだ。一回目ほどの喜びは難しい。

3回目。次は30万円で南米に行ったとき、やはりその価値は最初ほどは感じられないはずだ。

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旅先が違うから同じように考えられない?

初めて買った7万円のiPhoneより2台目の機能が上がった10万円のiPhoneの方が喜びが少ないということだ。

0円の残業代が5000円になったときと、30000円の残業代が35000円となったとき、いずれも市場価値は5000円分であるが、後者の方が小さく感じてしまうということだ。

ビジネスの場合はもっと顕著だ。純利益が250億円から300億円よりも500億円から550億円になった時の方が価値が低く感じてしまう。同じ50億円なのに。これらは%換算するとその価値が下がるのはわかりやすい。

限界効用逓減の法則の一般的な定義

話が戻るのだが、この法則が「限界効用逓減の法則」である。

限界効用、という経済学の言葉があまりにもしっくりこないのだが、「人が追加的に感じる満足度」と定義される。この限界効用逓減の法則、追加的に物が増えていっても人が追加的に感じる満足度は減っていくというわけだ。ドイツの経済学者、ヘルマン・ハインリヒ・ゴッセンが発案したとされ、ゴッセンの第一法則とも呼ばれる。

一方で、限界効用均等の法則というものがある。こちらはゴッセンの第二法則とも呼ばれる。

これは「各財の限界効用が等しくなるように購入をすると、最大の効用が得られる」という法則。1円あたりの限界効用が高くなるように買い物をすると良い、ということ。違う種類のものを買う、違うことをすると良い、ということだ。

沼!ハマりやすい人は要注意

ハマるということもある。

よく聞くのがカメラのレンズでいうレンズ沼とかビックリマンシールを集めるとか韓流ドラマばかり見るとか。

全然それ自体は良いし、ロイヤリティユーザーが経済活動、企業活動を支えている側面もある。そのハマるということを考察してみよう。

限界効用逓減の法則があるのに何故ハマるのか?

前述のように、限界効用逓減の法則によって回を経ると薄まってしまう事になる。一応当サイトは旅がメインコンテンツなので旅で例示しよう。

いろんなスタイルがあれど、旅が楽しいことは各々の原体験でわかっている。つまり「旅=楽しい」という思い込み、ある種のバイアスがかかることになる。そこで「私は旅が好きだ」と周りに言うとすると自分自身に対して言霊のようなものが働く(セルフラベリング効果)。そうすると周りも「あの人は旅が好き」と言うようになりラベリングされる(ラベリング効果)。さらにそれで褒められたり尊敬されたりするとそうならなくてはと感じてしまう(ピグマリオン効果)。

よって、その人は旅をやめられなくなる。だが、実際は回をこなしているうちに限界効用逓減の法則でその人にとっての価値が薄まっている可能性はある。

「旅が好き」という原体験→「旅が好き」とセルフラベリング効果→「旅が好きなんだね」と周囲からのラベリング効果→「旅に詳しいね」と周囲からのピグマリオン効果→旅に出る

そして、例えば価値が下がっている気がしても旅から抜け出せない、原体験からがあるため課金し、エスカレートしていく。

どうすれば沼から抜け出せるのか?

「旅が好き」という原体験→「旅が好き」とセルフラベリング効果→「旅が好きなんだね」と周囲からのラベリング効果→「旅に詳しいね」と周囲からのピグマリオン効果→旅に出る

とこのサイクルがわかっているのであれば、それを止めれば良い。

つまり、「私は旅が好きではない」とセルフラベリングしてみる。いや、それは嘘になる。そのため、例えば「旅は好きだけどちょっと控える」と周囲に発言するといったソリューションだ。同じようなサイクルで止められる可能性がある。

※あくまでも一例であり、反例もたくさんあるだろうし、限界効用逓減の法則が働かないようにいろんなスタイルを試すこともオススメする。そしてこれは私の考察あることを最後に述べておきたい。

* * *

いろいろ述べてきたが、言えることは、初めてが一番楽しいと言うことである。

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