コーカサス三国といえばジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンの三国。隣接する地域・国はカスピ海、黒海、ロシア、トルコ、イラン。
これら、コーカサス三国はヨーロッパだろうか。アジアだろうか。はたまた、中東だろうか。その奇異なる分類を紐解いてみよう。
コーカサス三国はどこにあるのか
まず初めにコーカサス三国の位置について確認しておこう。前述のようにカスピ海、黒海、ロシア、トルコ、イランに隣接する地域で、コーカサス山脈がロシアと隣接するところに連なる。
このコーカサス山脈の北部にある地域は北コーカサスと呼ばれ、ロシア連邦を京成する一部となっている。
コーカサス山脈の南部、つまりジョージアより南の地域は南コーカサスと呼ばれる地域にあたる。そう、この南コーカサスにある三国がジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンのコーカサス三国である。
この地域はアジアである!?国連による分類
本題に入ろう。コーカサス三国はどこに分類するべきか。
この地域は国連による分類ではアジアと分類される。下の図は国連による分類だ(Wikipediaより)。
国連が統計で使用している分類には中東という分類がない。アラビア半島あたりの一般に中東と呼ばれる地域は「西アジア」に分類されている。黄緑色の地域である。
この黄緑色の地域にコーカサス三国も分類されている。ヨーロッパではないということだ。コーカサス三国を含まない場合は「南西アジア」と呼ばれることがある。
なお、この分類ではエストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国は北ヨーロッパに分類される。
コーカサス三国はヨーロッパではないのか?アメリカCIAによる分類
アメリカCIAによる分類を見てもコーカサス三国はヨーロッパとは見なされていない。トルコと同じ南西アジアになるようである。
上記地図はWikipediaより。
一方でCIAのFactbookのサイトにアクセスしてみるとジョージアはトルコと同じく中東に分類されている。いずれにしてもヨーロッパではない。
文化的にはヨーロッパ?
これらは地理に基づいた人が決めた分類である。では、歴史に基づいた文化的側面から見るとどうだろうか。
答えは、「国による」で良いだろう。
まずはアゼルバイジャン。住む人はペルシャ系が多く、食も印象として遊牧民系のケバブなどが中心である。宗教はイスラム教がメイン。言語もトルコなどと同じテュルク諸語の一つ。
ジョージア。ジョージア正教がメインの宗教であり、国旗を見ていただければわかるが、十字がある。言語は独立系のグルジア語。食べ物はジョージアワイン、パン、各種肉など。
アルメニア。世界最古のキリスト教国とも呼ばれる。街並みを含めてヨーロッパ。食べ物はジョージアに近い。言語はアルメニア語でインドヨーロッパ語族。
経済的側面を見るとジョージアなどはEUとのつながりが濃く、文化的にもヨーロッパの影響を大きくしている一因となっているだろう。
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なお文献によっては東ヨーロッパとしているものもある。定義次第ではあるが、コーカサス三国を一括りに東ヨーロッパとするのは強引な印象も受ける。
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