【ロシア/ウクライナ】ウクライナの東側の攻防:ロシア・ウクライナの国境と地政学

DSC07138 1536x1024 - 【ロシア/ウクライナ】ウクライナの東側の攻防:ロシア・ウクライナの国境と地政学 地政学

オリンピックのタイミングで忘れてはならないのがロシアの動向である。ロシアは南オセチアやクリミア侵攻をオリンピック期間に実施してきた。

この冬季北京オリンピックのタイミング、毎日報道されているようにロシアとウクライナの緊張が高まっている。

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独立後のウクライナ

主権国家であるウクライナは1991年に独立、親ロシア政権だったが、2005年のオレンジ革命(民主化運動)により親欧米のユシチェンコ大統領が誕生。このユシチェンコ大統領の勝利も簡単でなく、最初の選挙では対立していたのちの大統領ヤヌコーヴィチ側が勝利。しかしユシチェンコ側は選挙に不正があったと反対運動。再選挙が行われ、今度はユシチェンコ大統領が勝利。ということでユシチェンコが大統領となる。

2010年、今度は親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領が当選。ロシア語を公用語にするなどを進める。

2013年までヤヌコーヴィチ大統領はEUとの政治・貿易協定の仮調印まで進めていたが、撤回。親ロシア側の圧力。親欧米側は強い反発、2014年のウクライナ騒乱につながる。同2014年にウクライナ議会はヤヌコーヴィチの大統領解任を決議、ロシアに亡命。

次期トゥルチノフ大統領代行につながる。トォルチノフ大統領はヤヌコーヴィチが亡命した翌日にロシア語を公用語から外す。この暫定政権のどさくさに2014年のロシアによるクリミア併合が起こる。

その後に大統領になったのがポロシェンコ大統領。2014年から2019年。チョコレート王。なお2022年2月19日現在、Wikipediaのポロシェンコの記事内で、大統領時代の内容が削除されているのか、書かれていない。

ポロシェンコは親欧米側。EUやNATO加盟が実現できず、国内の社会保障・経済政策がうまくいかず、ロシア正教会からウクライナ正教会の独立を掲げるなどしてきたが世論がついていかなかった。

そして現在の大統領、ゼレンスキー。

ロシアの事情

ロシアは広大な寒さと広さを有しており、地政学者マッキンダーいわく「ユーラシア大陸最奥部は難攻不落の安全地帯(ハートランド)」。ナポレオンもヒトラーも冬将軍にやられている。

ロシアの有する港は冬期に凍結してしまうため19世紀からずっと不凍港を手に入れるため東へ西へ南へ侵攻してきた。クリミア半島も黒海に面しており、内陸海ながら海ではある。

ロシアとウクライナの関係

ロシアとウクライナの間には明確な自然国境はない。地政学的にはリムランド(ユーラシア大陸のヘリの部分)にあたる。19世紀にはウクライナの地域はロシア領となり、ソ連となる。

そのため民族と国境が一致していない。言語は違うながらかなり近い。ウクライナ東部では当然ロシア系住民が多くなる。

ロシア人とウクライナ人は同国人になるには違いが多いが、完全に他国人と思うには共通点が多い、とされる。

ウクライナ中央部を縦断するドニエプル川を挟んで、東側はロシア寄り、西側はEUやNATO加盟を目指したい、と対立している。

クリミア半島もロシア系住民が多い。ソ連時代にクリミア半島はロシア領だったがウクライナに譲渡された。当時は同じ「ソ連」の枠組みにいたため問題にならなかったが独立後は話は別。ロシアとしては無かったことにしたい。

で、なんでロシアはお怒り?

ゼレンスキーがNATO加盟を目指しているから(とされる)。

NATOに加盟してしまうとロシアにとってのリムランド争奪に遅れをとったことになる。またロシア系住民も多いこともありながらウクライナ全土がロシア力から離れることになる。

ロシアとしてはウクライナ東側を領土に組み込みたいと思っていると考えられ、今回2022年のロシアウクライナ国境武装はそのきっかけになりうる。

ウクライナを越えればそこはEUであるポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアが並ぶ。

ウクライナが東西に分裂されるのか、ロシアは軍を撤退させるのか。後者に治ることを願う。

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