実はもう食べてるよ!遺伝子組換えで作られた食品

イタリアの朝食 食品

遺伝子組換え食品、GM食品(Genetically Modified Foods)とも呼ばれます。食べてないですって?直接は食べてなくてもそれによって作られたものは食べてますので安心してください。

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安全性の確保

遺伝子組換え作物の栽培や輸入、食品や飼料としての使用は生物多様性への影響と安全性の評価が義務化されています。

遺伝子組換え食品の安全性評価は遺伝子を導入する前の食品と同程度のリスクであれば容認できるという「実質的同等性」と呼ばれる考え方に基づいています。

生物多様性への影響

カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制にとる生物の多様性の確保に関する法律)に基づいた承認が必要です。

ポイントは下記です。

・導入された遺伝子が目的どおりに働いているか

・元の植物と比べて大きさや形に変化はないか

・有害物質は生産されていないか

・野外での生育状態や越冬性に変化はないか

・交雑の程度が元の植物と比べて変化していないか

食品としての安全性

遺伝子組換え食品を輸入・販売等する場合、厚生労働省に申請する必要があります。農林水産省ではありません。

厚生労働大臣は内閣府食品安全委員会の評価(食品健康影響評価)結果を受けて審査し、人の健康を損なうと認められない場合、審査を経た旨が公表されます。

ポイントは下記です。

・組み込む前の作物、組み込む遺伝子などはよく解明されたものか、食経験はあるか

・組み込まれた遺伝子はどのように働くか

・組換えによって新たにできたタンパク質は人に有害でないか、アレルギーを起こさないか

・組換えによって意図しない有害物質などができる可能性はないか

・食品中の栄養素などが大きく変わらないか

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飼料としての安全性

飼料として利用する場合には農林水産大臣の安全性確認を受ける必要があります。こちらは農林水産省です。ポイントは下記です。

・組換えによって新たにできたタンパク質は家畜に有害でないか

・組換えによって新たにできたタンパク質や家畜の中で変化したタンパク質が人に有害でないか

遺伝子組換え食品表示

遺伝子組換え食品の表示は食品表示法によって「遺伝子組換え」の表示が義務付けられています。

遺伝子組換え食品と非組換えが分別されていない場合、「遺伝子組換え不分別」の表示が義務付けられています。

IPハンドリング(分別生産流通管理)によって管理された非遺伝子組換え作物を原材料とする場合「遺伝子組換えでない」と表示することができます。こちらは任意表示です。

しかし組換えられた遺伝子(DNA)が検出されなかったりタンパク質が残存せず検出できない場合には表示は義務付けられていません。つまり、大豆油、コーン油、醤油、異性化糖などは表示が残りません。

また加工食品において、その主な原材料(全原材料に締める重量の割合が上位3位までのもので、かつ原材料に占める重量の割合が5%以上のもの)に当たらない場合には食品表示基準により表示が省略されます。

ほら、みんななたね油とか使うじゃん。

安全性審査手続きを経た遺伝子組換え食品および添加物

2017年8月の時点で、日本では安全性が確認されて販売・流通が認められている食品は8種類の作物と12種類の添加物です。作物の場合は害虫抵抗性や除草剤体制が導入されたりします。

ジャガイモの場合は高温加熱加工過程で生じる発がん性物質のアクリルアミドの賛成を低減させたり物理的衝撃後の黒斑の生成を低減させる性質を導入したものなどがあります。

大豆やトウモロコシは特定の成分(オレイン酸、ステアリドン酸、リシン)を多くしたり飽和脂肪酸量を低くする形質や乾燥体制を導入したもの、耐熱性αアミラーゼ産生の形質を導入したものなど遺伝子組換え食品が開発されています。

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食品

ジャガイモ(9品種)

害虫抵抗性、ウイルス抵抗性、アクリルアミド産生低減、打撲黒斑低減

大豆(25品種)

害虫抵抗性、除草剤耐性、飽和脂肪酸高オレイン酸形質、ステアドリン酸産生

てんさい(3品種)

除草剤耐性

トウモロコシ(204品種)

害虫抵抗性、除草剤耐性、高リシン形質、耐熱性αアミラーゼ産生、乾燥耐性、組織特異的除草剤耐性

なたね(21品種)

除草剤耐性、雄性不稔性、雄性回復性

わた(45品種)

害虫抵抗性、除草剤耐性

アルファルファ(5品種)

除草剤耐性、低リグニン性

パパイヤ(1品種)

ウイルス抵抗性

食品添加物

下記の酵素や物質は遺伝子組換えをした微生物により製造されます。しかしこれらの酵素の中には当然微生物は残存していません。

αアミラーゼ(9種)

生産性向上、耐熱性向上、スクロース耐性向上

βアミラーゼ(1種)、キモシン(タンパク質分解酵素/レンネット)(2種)、プルラナーゼ(グルコースの重合体であるプルランの分解酵素)(2種)、リパーゼ(脂質を分解する酵素)(3種)、アスパラギナーゼ(1種)、ホスホリパーゼ(2種)、グルコアミラーゼ(2種)、リボフラビン(ビタミンB2)(1種)

生産性向上

αグルコシルトランスフェラーゼ(3種)、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(1種)

生産性向上、性質改変

エキソマルトテトラオヒドロラーゼ(1種)

耐熱性向上

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豆腐などの大豆は「遺伝子組換えでない」と明記されています。小売りに「遺伝子組換え」と書かれた食品は流通していないとも言われます。

しかし、油や醤油、製造で用いられる酵素は遺伝子組換え生物由来であることを覚えておくといいことがあるかもしれないです。ないかもしれないです。

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