予防接種していない人は特に気をつけよう!海外での食中毒とその対策

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国内だって食中毒はある。衛生環境の悪い途上国はもっとある。

基本は加熱ですよ。生のサラダとか生水とか超注意というのはこういうことから!あとお肉と野菜のまな板とか使い分けるのもこういうわけだ。

はい、水もお肉も加熱!衛生管理!

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微生物

サルモネラ菌

症状

症状は腹痛・下痢・発熱(38〜40℃)、頭痛、嘔吐、倦怠感。高熱が特徴的。

通常1〜4日で治りますが、菌自体は3ヶ月経過後も体内にいることもあります。

潜伏期間

潜伏期間は6〜72時間、平均12時間。菌株によって異なります。

原因

鶏肉・牛肉・卵など。元々は家畜・家禽の腸管内にいます。またカエルやトカゲ、イグアナなども保菌。

加熱不足が原因でなります。加熱が不十分な卵焼きなどにもリスクはあります。特に卵を使用前に割っておくのは危険。

対策

75℃1分以上の加熱、61℃15分以上の加熱。また衛生動物・害虫の駆除やペットに触った後の手洗いなどにもお気をつけください。特に爬虫類。

カンピロバクター

症状

症状は38℃以下の発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐、腹痛、下痢。サルモネラと同じですね。特徴的なところとして発症後2日間ほどは緩めの下痢が1日に2〜6回、血便は稀です。

回復まで1週間、予後は良好。とはいえギラン・バレー症候群というのになる可能性があります。怖すぎ。

潜伏期間

潜伏期間は2〜7日(平均2〜3日)。

原因

こいつも家畜・家禽の腸管に存在。国内養鶏場でも58%がカンピロバクター陽性、鶏肉の汚染率はなんと75%!

つまり生の鶏肉とか危険すぎるということです。あとは汚染された水。

対策

加熱と他の食品への汚染の防止。中心温度75℃1分以上の加熱!つまりちゃんと焼いたりすれば良い。トングも加熱と非加熱で使い分けましょう。非加熱の水も注意。

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腸管出血性大腸菌

症状

初期は軽度の胃腸炎のような症状で、風邪のような感じです。しかしO-157の場合30〜60%以上は重症化、腸管出血。激しい腹痛と水のような下痢、鮮血便。悪化すると消化管合併症(腸管壊死、穿孔、腸重積、直腸脱)やHUS(溶血性尿毒素症症候群)によって肝機能障害や中枢神経障害、時には死に至ります。

重症化した場合、2週間から数ヶ月の入院が必要で、HUSを発症すると神経症状が残ることもあります。

潜伏期間

平均4〜8日。

原因・対策

牛・羊などの反芻動物が保菌しています。これらから肉や水などに。

つまり肉・内臓肉が直接の原因となりますが、二次汚染(原因の食品などから他のものへの接触で汚染すること)であらゆるものにリスクがあります。これまでに原因になったものは牛レバー刺し、ユッケ、焼肉、ハンバーグ、水、漬物などなど。

つまり対策は加熱。中心温度が75℃で1分以上。生野菜はちゃんと洗う、消毒する。生肉を扱ったあとやお手洗いのあとはちゃんと手を洗う。

生肉とそのまま食べるもの(生野菜や完成した料理)は離す。調理器具を使い分けるなどなど。

途上国の場合はこれらが守られているでしょうか。

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エルシニア・エンテロコリチカ

症状

腹痛、38℃以上の発熱、下痢を伴う胃腸炎症状。

潜伏期間

平均2〜5日。回復までも4〜15日。

原因・対策

こちらも動物の糞便などから。それが原因で汚染された水も。日本の豚肉でも8%程度が汚染されており、加熱不足の豚肉はリスクが特に高いです。あとはネズミがいるような環境。

対策は消毒・殺菌された水を使うこと。肉は75℃1分以上加熱すること。4℃以下でも増殖するので新鮮なお肉を食べること。

コレラ

熱帯・亜熱帯に広く分布、O1型とO139型が下痢を起こすコレラエンテロトキシンを産生します。「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で三類感染症に分類されます。

症状

突然激しい下痢、大量の白色の水様便。発熱や腹痛はないことが多いですが、脱水症状に注意。

潜伏期間

数時間〜5時間ぐらい。

対策

生水と非加熱食品に注意。手洗いをしましょう。

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赤痢菌

ヒトやサルなど霊長類のみ観戦し、ヒトからヒトに観戦します。途上国からの帰国者や輸入魚介類などから広がり、世界的に蔓延しています。

症状

発熱、腹痛を伴うしぶり腹、粘液を含む下痢、膿・粘血便など。

潜伏期間

1〜5日、多くは3日以内。

原因・対策

やっぱり生水と非加熱食品。糞便系。

チフス/パラチフス

特徴

どちらもヒトのみに観戦するサルモネラ属菌で、アジアとアフリカ地域での発生が多いです。

症状

38℃以上の高熱が5日程度。徐脈、バラ疹、脾腫、下痢、腸穿孔。腸チフスは数週間から数ヶ月の間に再発することがあります。

潜伏期間

1週間から2週間。

原因・対策

貝類の生食、サラダ。加熱しましょう。

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ウイルス

A型・E型肝炎ウイルス

症状

いずれも慢性化することはないです。

38℃以上の発熱、倦怠感、吐き気、嘔吐、黄疸。成人は肝機能障害。E型は妊婦が感染すると劇症化しやすいです。

潜伏期間

A型は2〜7週間、平均4週間。E型は3〜8週間、平均6週間。

原因・対策

A型肝炎ウイルス・E型肝炎ウイルスのいずれも途上国では水を通して生野菜・魚介類など。日本ではE型は鹿・豚・猪。

A型肝炎ウイルスは酸やアルコールに強いため85℃1分以上の加熱や紫外線照射、塩素処理が必要。E型肝炎は加熱にも強い。けど効果はある。

ちなみに日本では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で四類感染症に分類されており、感染源調査のため医師から保健所に届け出が必要です。

その他

シガテラ毒

熱帯から亜熱帯の海域に生息する魚由来の毒です。世界最大規模の食中毒で、中毒患者数は年間2万人以上と推定されています。

症状

ドライアイスセンセーションという温度感覚の異常があります。これは冷たいものに触れた時に電気刺激のような痛みを感じたり、冷水を口に含んだ時にピリピリ感を感じます。つまり神経毒ですね。

そのほか痺れ、消化器障害、循環器障害などが起こります。重症の場合は回復に数ヶ月から一年かかることもあります。

発症

通常1〜8時間後。時に2日以上。

原因

魚なのですが、シガトキシン(特にシガトキシン1B)という毒が原因で、渦鞭毛藻というプランクトンが作ります。なので肉食魚や大型の魚の方が毒性が高く、内臓だけでなく筋肉の摂食によっても食中毒が起こることがあります。加熱にも強いという。

下痢性貝毒

下痢性貝毒はジノフィシス属のプランクトン(渦鞭毛藻)が産生します。これを食べた二枚貝が下痢性貝毒を溜め込み、これを食べた人間が食中毒になります。原因物質はオカダ酸(嘘みたいな名前だけどオカダ酸。略名OA)とその同族体であるジノフィシストキシン類(DTX1〜3)が知られています。加熱でも壊れません。

これは先進国であるヨーロッパでムラサキイガイが原因で起こっているので注意が必要です。1981年ですが、スペインで約5,000人の患者を出しています。

症状

下痢、吐き気、嘔吐、腹痛。通常3日以内に回復します。

発症

食後30分〜4時間。

* * *

以上のように、原因は動物からの汚染、対策は加熱。

予防接種している方もしていない方も、以上のことには注意してください。国内でも。

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