食べ物って、腐りますよね。パッサパサのやつとかは腐らなかったりしますけど、腐ります。
今回は食品別で腐敗の原因を見てみましょう。
魚介類・食肉・牛乳などはグラム陰性菌が腐敗菌。
野菜や果実では細菌やカビ。ほら、たまにグレープフルーツとかイチゴとかカビてるじゃない。
加工食品では耐熱性の芽胞菌とか密封不良によるカビや酵母が原因となります。カビとかは酸素がないと生きていけないので、焼き菓子とかは脱酸素剤って言われるパック(「食べないでください」って書かれてる白や透明の袋)が入っていたりします。
ちょっと細かく見てみましょう。
魚介類
魚介類の体表には1,000から100,000個/cm3の細菌が付着しています。肉質が柔らかいことから腐敗細菌の増殖に適してしまっています。なので腐りやすいんですね。
さらに低温で増殖できる菌が付着しているため、冷蔵庫の中で保管していても早い速度で腐敗してしまいます。
臭いの原因はアンモニアとトリメチルアミンによるものが主です。
食肉
解体直後は中温性の細菌が多いのですが、その後急冷されて低温性の細菌が増えやすくなります。10℃以下では比較的腐りにくいですが、10℃以下になるのに時間がかかると肉内部で細菌が増殖。腐敗臭に繋がります。
ちなみに肉の緑変は微生物というより筋肉の成分であるミオグロビンが酸化してしまうことが原因。またpHの変化で変色することもあります。
牛乳
集乳時で10,000個/mLの細菌。乳房内での一次汚染、搾乳時の二次汚染、工場に届くまでの間の酸段階で汚染されます、
1mLあたり1,000,000個の細菌が存在すると、粘性を出したり変な臭いがするなどの原因になります。
臭いの原因はアンモニア。
鶏卵
表面は1,000,000以上の菌がいます。洗浄されることで100,000程度まで減ります。
内部はほぼ無菌。これは殻表面のムチン層、内側の皮膜が障壁になっているためです。さらに卵白はpHが9.0〜9.6と食品の中では非常に高く、またその中にあるリゾチームという酵素の働きで細菌が溶菌されます。なので腐りにくい。賞味期限の書き方も「生食できる期間」みたいに書かれているのもそういうことだ。
臭いの原因は硫化水素やメルカプタン。
野菜・果実
輸送や貯蔵中に起こる病害の30%が微生物由来。例えば白菜などの軟腐病、トマトのかいよう病など。
果実はpHが低くそもそも腐敗しにくい上、果皮が丈夫であるため腐りにくい。なのでカビが原因になることが多いです。また腐敗ではありませんが、組織の損傷で酸化し、色が変わってしまうこともあります。
缶詰・レトルト食品
缶詰はボツリヌス菌の殺滅を目的として120℃4分間以上またはそれに該当する熱で加熱されているので保存性に優れています。
加熱不足の場合は耐熱性芽胞菌が原因となり腐敗、密封不良の場合はグラム陰性菌やカビが原因で腐敗。
魚肉練り製品
簡易包装のものは75℃数分、しっかり包装のものは80℃数十分間の加熱。前者は表面がカビや細菌などに汚染されて腐敗しやすいですが、後者は内部で生き残った耐熱性芽胞菌による腐敗が原因となります。
米飯
腐敗しやすいですが、穀物由来の耐熱性芽胞菌に限られます。炊飯直後は1gあたり100〜1,000個程度ですが、夏場は放置すると10時間ぐらいで腐敗します。
臭いの原因はアンモニアとインドールや酪酸などの有機酸。
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以上、食品別の腐敗の原因でした。
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