【マルタ旅行記6】蒼い海と極彩色。他に何かいる?未来を変えるのは現在。

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マルサシュロックからヴァレッタについた私たちはアイスクリームを食べたり、パレードが始まるところを見たり、首都のヴァレッタを観光した。一緒に歩き回ったKは「明日シチリアツアーに行きたいから問い合わせてみる」とか破天荒なことを言っている。語学留学じゃなかったんかい。

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本当はスリーシティーズに向かおうとフェリーターミナルに行ったのだけれど、フェスティバルで運行していないとのことだった。

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ウクライナ人のユーリとは晩御飯を食べる前に別れた。悪い気もしたが、本人がそういったから仕方がない。

結局二人で晩御飯を食べることにした。マルタ慣れした彼女はセントジュリアンのレストランを案内してくれるということで、デジタルデトックス中の私はインターネットを使うこともできないし、何も考えずについていくことにした。

セントジュリアンからスリーマに臨む素敵な立地のレストランだった。gululuという名前。ただ外の席は空いていなかったのが残念だ。屋内の席でカクテルなんか飲みながらしばらく待ってようやく座ることができた。案内されたのは屋内の席だったけれど。

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彼女はお酒が好きらしく、おじさんの絵柄のワインが有名で美味しいといい、オーダーして一緒に飲んだ。残念ながらその銘柄のことは覚えていない。

カルパッチョやパスタ、そしてピザを頼んだ。明らかに量が多く、私はピザを全く食べられなくて、のちに持ち帰る箱をお願いすることになる。

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ウィーンに住むというKの話を聞いた。とても魅力的な話だった。ウィーンに住むということもそうだし、彼女のアクティブさや考え方も素敵だと思った。

ウィーンでも日本の調味料が一応手に入って、旦那さんのためにも自分で料理するんだとか。日本食は調味料が全てだって言ってた。

これまでにもウィーンを拠点にヨーロッパ中を旅をしていて、これまででプラハが一番良かったとのことだった。来週は音楽のためにブラチスラバに行くと言っていた。正直、羨ましい。ひと月に一度は旅行に行っているとのこと。おじいちゃんに「若いうちに旅に」と言われているとのこと、今は「物欲より旅欲」。

私はスロベニアブレッド湖をお勧めしたけれど、その後の話だと結局行かなかったようだ。

彼女はオーストリアでの日本人に対する扱いなど、差別的に感じるところもありショックを受けたことがあるとか、案外ドイツ人のイメージの真面目な感じとは違う印象のところも大きいとか。

語学に力を入れていて、やり始めたばかりの時は泣きながらドイツ語を学んだことがあるとか。

私は彼女に「カルチャーショックを受けたことはある?」と聞かれた。この時、すぐには答えられなかった。自分は結構「あーそういうもんなんだ」と受け入れてしまうタイプだからみたいだ。とはいえ、この後に行ったキプロスの南北国境移動では相当なカルチャーショックを受けたのだけれど。

大したことを話せない私はボランティアガイドをしていること、登山にたまに行っていることぐらいしか話すことがなかった。

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同い年ということもあり、話は弾んだ(と私は思っている)。

刺激的な話があって、閉鎖的だった私のものの見方に一石が投じられた気持ちもあった。

彼女が帰国後も何度か会うことになる。どんどん生活や環境が変わっていく彼女と、ちょっと引け目を感じてしまう何も変わらない自分。

色々あったみたいだけれど、やっぱり幸せそうで羨ましいな。婚活しよ。

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当時28歳の私はまだ協力隊を受けていない。でも、やはりモヤモヤ感は強かった。

日記によると仕事自体はやめるほどつまらなくはないけれど楽しくは思っていない。他にやりたいことがないという消極的な気持ちだったようだ。ワーキングホリデーや留学に興味は持っていた。こういう話を聞いてますます強くなっていっていたようだ。飛び出したい。ってメモが残っていた。

そして、翌年早々、青年海外協力隊を受けて受かることになる。結局行かなかったのだけれど。

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これを書いている自分はどうやら酔っているみたいだ。

素敵な友達ができて良かった。

(了)

前話第5話はこちら、第1話はこちら

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