【マルタ旅行記5】蒼い海と極彩色。他に何かいる?マルサシュロック

マルサシュロックの海 旅行記

ヨーロッパだからと言って、必ずしも電車が時刻通りくるとも限らないし、お釣りがちゃんと返ってくるとも限らない。イタリアならば電車が時刻通りこないことも織り込み済みだけれど、それがドイツもそうだったりする。電車が来たのはいいけれど、案内と違うホームだということだってある。

何も、先進国云々の話ではないのだ。

マルタだって例外ではない。そもそもマルタはOECDにも入っていないためイタリアより弱いはずだ。いやそんなことは関係ないか。

ともかく、マルタには鉄道はないがバスはあって、たまに壊れる。

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我々が遺跡から乗ったバスは一度動いたのだけれど、程なく止まってしまった。

なんで止まったかはわからない。運転手さんが一度降りて直したみたいだけれど、またすぐに動かなくなってしまった。この時の運転手さんの落ち着いた様子から日常茶飯事な印象も受けた。

「動かなくなっちゃったね」

そんな能天気な会話ができるのも、マルタという広義の南国にいるからだろう。私はそんなことで文句を言わないし、言っても何も解決しないことがわかりきっている。

とりあえず、狭い大地とはいえ、バスでマルサシュロックまで行くことができなかったわけだ。ユーリの情報によると4kmぐらいと結構な距離だったので、違うバスに乗って、そのバスで行ける近そうなところまでアクセスして下車。

歩きたがらないウクライナ人のユーリは「タクシーに乗りたい」って言っていたけど、別に天気も良いし、Kは十分元気そうだったので残念ながらユーリは無視した。

結果的に歩く距離は短くはなかったけれど、海を見ながら歩くのはとても楽しかった。澄み渡る空と同化する輝く海。ちょっと暑いけれど、お散歩するには最高と言っても差し支えがないコンディションだろう。寒い国から来たユーリには暑すぎたのかもしれないけれど。

スマートフォンの画面を何度も見せて遠さをアピールしてくるユーリを華麗に無視しながらマルサシュロックの街に向かって歩くと、だんだんボートが見え始める。地球の歩き方に載っているみたいな、色とりどりのボート。

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ビーチには水着ではしゃぐ子供達、海を超えた遠くにはコンテナが見える。

「水着を持ってこればよかった」

自分は全然水着を欲していなかったかれども、澄み渡るスカイブルーとオーシャンブルー、そう漏れるのも無理はない。

蒼い海に極彩色、仲間。私は水着はいらないし、他に何かいるとしたら、おいしい食事ぐらいかな。

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* * *

やっぱり、素敵な散歩だったと思う。こんな遠回りするのもやっぱり旅の楽しみかな、って思う。まぁ遠回りして後悔したことの方が多いのだけれど。

結局、私たちは途中からバスに乗ってマルサシュロックにたどり着いた。そのバスには遺跡にいた人たちも乗っていた。きっと同じ目にあっていたんだろう。お散歩をできた私たちは得をした。

* * *

天気に恵まれた街はマーケットで活気があって、服とか謎の雑貨とか謎の実とか売っていた。果物とか生鮮品が少なかった気がする。

「前回来た時はもっとたくさんお店があって、いろんなもの売っていた気がするな」

って言っていたので、きっと時間が遅かったのか曜日が良くなかったんだろう。俺には十分活気があるように見えたのだけれど、もっと良い時があるなら良い時の方がいいかな。

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マーケットには生鮮食品が少ないながらも、イチゴが売っていて、ユーリが珍しそうにしていた。

「ウクライナではほとんど売っていないし、売っていてもすごく高いんだ」

って言っていた。

別に日本だからってなんでも手に入るわけではない。ただし、自分らが当たり前に食べるイチゴについてこのような反応をされてしまって変な感じを抱いてしまったのは事実だ。

ウクライナという国がどのような感じかわからないけれど、寒いが故の食のバラエティーの少なさがなんとなく寂しい、というか日本が恵まれた国なのかな、となんとなく感じてしまった。

日本では当たり前になっていてこういう気持ちを忘れてしまうけれど、自分らが海外で何かを珍しそうに食べる時はこう思われるのだろうか。

そんなことより何か食べよう。時は15時半になっている、お昼お昼!

ちゃんとレストランを調べてくれていたその子が場所を案内してくれる。小ぢんまりした街なのですぐに見つかった。教会のすぐ近くだ。

「前行ったのはもう一軒だったかなぁ」

食べる前から心配されてしまったけれど、自分としては前回と違うもの食べた方がいいんじゃないかな、って思う。とはいえやっぱり案内する側は確実に美味しいもの食べて欲しいし、素敵なものを見てもらいたいものなのは十分知っているんだけれどね。

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ちょっと待たされたのち席に案内される。このアジア人二人とスラブ人の人生の先輩の組み合わせを先方はどう思ったのだろうな。

遅い時間だったからか、オススメっぽい海鮮パスタが切らしていたのは残念だ。どうせ何がくるかわからないから適当にスープとパスタを頼む。

マルタのスープは魚がたくさん使われていてとっても美味しい。マルタのパサパサのパンと一緒にどうぞ。

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そしてオーダーしたパスタもやってくる。その子が頼んだのがこれだった。

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その子「これだったらどうしよう」

自分「生命を感じる」

* * *

食事が終わってからはマーケットもほとんど店じまいをしていた。ユーリが食べたがっていたイチゴの屋台はもう閉まってしまっていた。なんだか重ねてごめんね。

そんな中だけれどマーケットでは謎の実を渡されて、食べてみた。味について何か話した気がするけど、見た目とは違う味だったことしか覚えていない。まぁ特別不味くもなければ上手くもないってことだな。

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* * *

そしてマルサシュロックから離れることになる。

自分はWi-FiもSIMカードもないため完全に人任せになってしまっていた。近くに二つのバス停があったけれど、どっちからどっちに行くかなど全く不明だ。

この後もバスが満員で最初のバスに乗れず、2本目になんとか乗ったのだけど、二人の友人が乗っていき自分の前でドアを閉められそうになり「FRIENDS!!」と言って無理やりバスに乗り込んだ。

東京の普通の鉄道の方が混んでいる。

* * *

マルタの旅はまだ続く。三人でちんたら走る揺れるバスに乗って、空港でお茶をして、ヴァレッタに向かってアイスクリームを食べたり、シチリアツアーに申し込もうとして申し込めなかったのも、どこにでもないたわいもない非日常だ。

そこで出会ったウクライナ人のユーリはフェイスブックで友達となった。もう一人の日本人の女の子Kとは日本ですぐにまた会うことができた。その後一年以上空いたけれど、友人の少ない自分から見たらなんでも話せる最も仲の良い友人となった。

それはまた、別の話であるのだが。

* * *

日本では出会えない仲間に出会って、友達になって、ただの非日常が極彩色の非日常になったりもする。

相手にとってただの一日が、自分にとっては案外永遠だったりする。

だから、旅は小粒でも面白い。

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