現状維持バイアスという言葉がある。
その文字面の通り、変化よりも現状維持を好んでしまうという心理作用だ。最近だと行動経済学とかいう学問でも用いられる。コンビニとかで同じ商品ばかりを買ってしまい、新しいものを買わないのもこれの一部とも捉えられる。
変化が怖い人間
人間は変化を恐れる。
現状は確実に安心できる。現状生きているし、現状維持ができれば現状より悪いことはない。
変化は挑戦でもある一方、当然リスクでもある。現状維持できることはリスクを避けること。将来がある程度予測できてしまうし、そういう意味でもエネルギーを使わないですむ。
現状維持バイアスとは
現状維持バイアスはリターンよりもリスクを高く見積もってしまうことから、現状維持がベターと考える心理現象。「現状維持」は現状の過大評価とも捉えられる。
例えば毎日同じパンを買ってしまうこともそうだし、彼女とぐだぐだと付き合ってしまうのもそう。COVID-19が流行しているにも関わらず、イレギュラーを遅れて「いつも通り」出社を要求する組織も現状維持バイアスがかかっている状態。
だが、このバイアスを外すということは新しいことに挑戦するということを意味して、新しい発見があって違う自分を見つけられるかもしれないという意味にも捉えられる。
そもそも、どうすれば現状維持ができるのか?
現状維持バイアスの前提として「現状維持」がある。
「現状維持」にもエネルギーがかかる。短期的なちょうど良い塩梅では「現状維持」に見えるかもしれないが、放っておけば現状維持できるわけではない。そもそもミクロで見れば「現状」は常に異なっているし、物理的に時間軸は歪められない以上マクロで見れば「現状維持」は不可能だ。
現状維持バイアスを除くのは難しい。人は変わらな言い訳を探している。
人生における現状維持バイアス
現在に納得しているとも思ってないし、理想と現実のギャップは極めて大きいけれど「現状維持」はリスク回避的側面で悪くない。
「現状維持」に関する問題点は極めて大きく認識している。どこかで物理的にも精神的にも破綻する可能性はある以上、常に改善を目指さなきゃいけない。そもそも現状に満足していない。
だからこそ、どうにかしてこの「現状維持バイアス」を取っ払いたい。
例えばアフリカに行ってみることで「アフリカは怖い」とかそういう現状維持バイアス的なものを除いたわけだし、それによっての発見は存外大きい。アフリカにいかな言い訳を探していたわけだ。
やりたいことがみつからない、それはやりたいことをやっていないから、探せてないから。つまり、やったことがないことにやりたいことがある。現状維持ではそれは見つからない。
新型コロナウイルス感染症COVID-19の場合
組織運営の場合、短期的には現状維持をすることの方が簡単だ。在宅勤務などの環境を整えるには設備投資、制度設計などあらかじめ準備しなくてはならないものが多い。
BCP(有事の際のビジネスの継続計画)をあらかじめ策定している場合でも、COVID-19は想定外であったため初動が遅れてしまったことは否めない。政府にしてもオリンピック延期の決断が遅きに失してしまった。
これらも「現状維持バイアス」が働いた結果として考えられる。
つまり「オリンピックを予定通り行うこと」が「リターンがリスクより大きい」と過大評価してしまう現状維持バイアスが集団として働いていたわけだ。
変化しない方がエネルギーがかからないと考えてしまったのだ。
「オリンピックを延期したら(しないより)国際的信用を失い、得られる経済効果が大きく下がってしまう」と言い訳をしていた。
* * *
現状維持バイアスは心理現象。そのため取っ払うためには第三者の指摘やきっかけが必要。一歩、踏み出そう。
コメント