オーストリア。
食べ物は美味しいし街は綺麗だし音楽も絵も素晴らしい。ちょっと郊外に出れば雄大な自然もある。本当住んでみたい。
そういえばオーストリアってなんで永世中立国家なんでしょう。
オーストリアの概要
オーストリアは人口900万人弱。お隣ドイツは8000万人を超えます。
オーストリアの面積は83,880 km²、ドイツは357,400 km²。
オーストリア人の78%がカトリック、5%がプロテスタントと言われています。ドイツは半々ぐらいのようです。
オーストリアは歴史的にハプスブルグ家に特徴付けられます。
オーストリアの地政学
緩衝地帯としてオーストリア
まず、地図をご覧ください。
オーストリアはいわゆる緩衝地帯。
ハプスブルグ帝国の歴史もあり、分類の方法によっては東欧となることもあります。
東欧は膨張するソ連を主体とした共産主義によって特徴付けられます。
ですがオーストリアは特殊。第二次世界大戦後には分割統治を経て資本主義、永世中立国となっています。南へ東へと海を目指すソ連とそれを食い止めるイギリス・フランス・アメリカ。冷戦の構図ですね。
忘れてはいけないのが同じ民族の兄弟国家、ドイツ。
これらを見ていきましょう。
オーストリア分割統治
オーストリアは妥協地帯。
案外知られていないのですが、上述のように第二次世界大戦後は分割統治されています。アメリカ、イギリス、フランス、そしてソ連。
第二次世界大戦末の1945年のウィーン攻勢で臨時政府が樹立されてから10年間、1955年まで分割統治されていました。
ソ連は第二次世界大戦後に再びオーストリアが独立する際、憲法に「永世中立国」と書くことを前提に引き上げました。このように、イデオロギーの異なる東西の緩衝地帯としての立場で再び独立した妥協地帯とも捉えられます。
Wikipediaより。
アンシュルス(併合)できないドイツとオーストリア
ドイツもオーストリアもゲルマン民族。しかし条約で併合(アンシュルス)は禁止されています。永久に。
アメリカもソ連も、ドイツとオーストリアを併合させて一つのゲルマン人国家を作ることは避けねばならない。だって頭いいし戦争強いし真面目で技術力もすごいから。
上述の1955年のオーストリア国家条約が結ばれて再び独立した際、永世中立国となる以外にもドイツとの併合は永久に認めないって書かれています。
トルコとの関係
トルコとはバルカン半島を挟んで隣国。ロシアを仮想敵国とする共通の認識もあります。
しかし歴史的に見てオスマン=トルコ(オスマン帝国)とうまくやれていなかった事例がたくさんあります。1494-59年にはイタリアを取り合ったこともあるし、オスマン=トルコはウィーン包囲を目指して失敗したこともある。
そもそも宗教的な違いから見ている世界が違う可能性もある。オーストリアでモスクを閉鎖するという話が出たり、トルコのEU加盟問題ではオーストリアはそれを認めなかったことも発生した。
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こんなきな臭い話は忘れて、美味しくて美しいオーストリア。今度は山岳地帯などもゆっくりと行きたいものです。
オーストリアの魅力はこちらを読んでね。
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