【立山:剱沢キャンプ場→富士ノ折立→雄山(4)】雄山の祈祷、草紅葉の室堂と。

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日本人は、いや、世界的にもかもしれないが、三大〇〇と言うのが好きだ。

例えば仏教三大遺跡、三大キャリア、三大仏教、三大がっかり名所などなど。三大〇〇には欠番を残しておくこともままあり、日本三大都市とかは論争をわざわざ残してある。

そして、ここ、雄山は三大霊山(富士山、雄山、白山)だ。

しかし、富士山、雄山、白山、御嶽山のうちから、富士山と残り二つを適当に選んで三大霊山とすることもあるし、別の三大霊山は恐山、比叡山、高野山だったりする。勝手にしたまえ。

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さて、話を戻して登山だ。

富士ノ折立で絶景を満喫して山に登っている自分かっこいい、的な写真をおのがじし撮影した後に、時間がないことが露わになってきたようだ。

「急がないとレンタカー返せない!」

レンタカー屋は大体20時にはクローズする。

今回は富山側から来た私を除き、残り五人は自家用車とレンタカーで来ており、レンタカーが千葉からとのことで、そもそも扇沢まで遠いのに小仏トンネルの渋滞を考えると6〜7時間ぐらいかかってしまう可能性がある。そもそも室堂から扇沢までも1時間ぐらいみておかねばならないから室堂には11時にはついておきたいようだ。

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富士ノ折立に着く頃には完全に二つのグループに分かれていた。そこまで大変な山ではないというつもりだったのだが、C先輩はレンタカーに乗るはずなのに後ろ隊になってしまった。若者Sは大学に行くような自分のリュックを前に背負い、C先輩のザックを背負うという男らしい姿を見せていた。

「先に行く、って伝えておいて」

大汝山に向かう頃にはMさんと若者Sはついに先に行ってしまった。お疲れさまでした。この後、また一瞬会うことになったが。

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私含めて残された四人は雄山にのんびりと向かう。大汝山から雄山も険しい道ではなく、程よく疲れるぐらいの道だ。

4人揃って雄山に着く。そこには噂に聞く神社があった。てっぺんに祠があり、どうやら祈祷料を払ってお祈りをしてもらえるみたいだ。

私たちはちゃんとお金を払ってお札をもらい、祈祷をしてもらう列に並ぶ。

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三大霊山。

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ここまでこれば室堂はすぐだった。とはいえ、雄山の下りは急で、つまり登りも急ということで、登ってくる人は波のように大勢いたがとても大変そうだ。人生の先輩方も多くおり、雄山が三大霊山であることを物語る。

雄山を下り終えると、昨日のガスが嘘のように全く違う世界が広がっていた。ちゃんと道は舗装され、登山靴では返って歩きにくいぐらいだ。

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高原の景色、秋の色。

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はじまりかけた草紅葉、夏山の終わりを告げていた。

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室堂には12時半ぐらいに着いた。本当は松本あたりでがっつり昼食を食べたいのだが、ここから2時間ぐらいかかることになるだろうから蕎麦を食べておいた。

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9月の普通の土日の室堂から扇沢は、混雑することなくスムーズに下ることができた。黒部ダムを見たい気もしたが、帰る方が優先。

ソフトクリームは食べておこう。

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この扇沢-室堂間は相当大変な工事だったようだ。1958年に開通、つまり、戦後13年で工事が行われていたと思うとゾッとする。すごいインフラだ。

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レンタカー組は小仏トンネルを避けて上信越から帰り、予定より1時間ぐらい前にレンタカーを返せたようだ。

そういえば、昨日のうちに転んで使用不可となった静岡県民Mのスマートフォン。アップルケア云々のやりとりを松本までのクルマでずっとやっていた。確かにスマートフォンがなくなると連絡が取られなくなるしSNS社会ならではの焦りも出てくる。仕事もできなくなる。時には生死に関わるぐらい。かわいそう。

翌日、スマートフォンは復活したみたいだ。山でのお祈りが通じたな(これを祈ったかは不明)。

円満解決。

今回の山行は、出張上がりで止むを得ず持っていたパソコンを持ってで、トレーニングの一助にもなったぜ。

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さて、来週の登山に備えよう。

(了)

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