【世界遺産1】しばしば聞くけど本当は知らない!?世界遺産とその誕生。

カッパドキア Tips

とりあえず海外行って世界遺産あったら行くじゃないですか。「おー」って思うものから「あー」って思うものまで世界遺産になっています。そもそも世界遺産って何、ってところからお勉強していきましょう。

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世界遺産の考え方

世界遺産は「世界遺産条約(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)」によって人類共通の財産として保護・保全を目的とされている不動産です。

皆さんなんとなくご存知のように、世界遺産は文化遺産自然遺産に分けられるということです。両方を備えた複合遺産というものもあります。

世界遺産条約は8章に分けられる全38条からなっていて、この中で自然遺産と文化遺産の定義が決められていたりします。要点は下記です。

・世界遺産リストと危機遺産リストの作成

・世界遺産委員会や世界遺産基金の設立

・世界遺産の保護・保全はその保有国の責任。とはいえ条約締結国は国際社会の義務として保護・保全に協力しましょう。

・教育・広報活動の重要性

・世界遺産に社会生活の中で機能・役割を与えること

・世界遺産は過去のものではなく、今まさに生きて意味を持つ遺産

この活動を行なっている機関としてユネスコ(国際連合教育科学文化機関)があります。ユネスコはパリに本部を置いていて教育・科学・文化などを通して平和の実現などを目指しています。

世界遺産誕生までの流れ

後に出てくるアテネ憲章が採択されるまで、文化的な記念物や遺産は集団に属すると考えられていましたが、個人の住宅や街並みはその考え方に入っていませんでした。

しかし1931年以降、このような考え方は変わり、のちの世界遺産の概念に繋がっていきます。

1931年アテネ憲章

第一回「歴史的記念建築物に関する建築家・技術者国際会議」@アテネ

記念物や建造物などの保存や修復に関する基本的な考え方が採択。ちなみにこの年は満州事変があった年です。

のちの世界遺産では認められていませんが、建物の修復などで近代的な技術や材料の使用が認められています。

1945年ユネスコ憲章

ユネスコ誕生。割愛。

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1948年IUCN設立

国際自然保護連合。スイスのグランに本部がある組織で、ユネスコやフランス政府、スイス自然保護連盟などの呼びかけにより設立。

自然の多様性を保全し、持続可能な自然資源の利用を行うため、世界中の科学者支援を目的としています。

世界遺産委員会の諮問機関。

1954年ハーグ条約

「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約」@ハーグ(オランダ)by ユネスコ

第二次世界大戦で遺産や記念建築物の保護んの重要性と保護の難しさに直面したという背景があります。

国際紛争や内戦とかがあっても文化財を守らなきゃいかん。そのための基本的な方針が定められたのがこのハーグ条約です。

1959年ICCROM(イクロム)設立

文化財の保全および修復の研究のための国際センター。本部はイタリアのローマ。

不動産と動産の両方の文化遺産の保全強化を目的とした研究や記録の作成、技術支援や技術者養成などを行う。

世界遺産委員会の諮問機関。

1960年ヌビア遺跡群救済キャンペーン

超重要なので後述。

1964年ベネチア憲章

第二回「歴史的記念建造物に関する建築家・技術者国際会議」@ベネチア

アテネ憲章とは異なり、修復の際には建設当時の広報や素材を尊重すべき(真正性)という概念が提唱されています。

1965年ICOMOS設立

国際記念物遺跡会議。フランスのパリに本部があるNGOで、ベネチア憲章の原則を基に設立。建築物や考古学的遺産保全のための理論、科学技術の応用を目的としています。

世界遺産委員会の諮問機関。

1972年国連人間環境会議/世界遺産条約

ストックホルムで開催された国連人間環境会議で世界遺産保護と文化遺産保護の流れがまとめられ、同年11月のユネスコ総会で世界遺産条約が採択。

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ヌビアの遺跡群救済キャンペーン

エジプトのナイル川沿いのヌビア地方にある遺跡群。アブシンベル神殿からフィラエまで広がっています。

1952年、エジプトのナセル大統領はアスワン・ハイ・ダムの建設計画を策定。この計画が実行されるとアブシンベル神殿からフィラエのイシス神殿が水没してしまいます。

ナセル大統領はユネスコに救済を依頼。経済開発と遺産保全の両立に取り組むため、1960年から救済キャンペーンを開始、1964年から募金活動を始めます。

この救済には約50ヶ国、様々な民間団体や個人の協力がありました。この動きは「人類共通の遺産」という考え方のきっかけになります。

この動きを受けて1968年にユネスコは「公的または私的の工事のよって危険にさらされる文化財の保存に関する勧告」を採択。文化財の保全と経済開発の調和を図ることは各国の義務です、と。

他にもユネスコは1966年にベネチアの水没からの救済、1968年からインドネシアのボロブドゥール救済なども行っています。

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世界遺産の考え方がわかってきたでしょうか。

なんとなくわかっているつもりの世界遺産ですが、人類共通の遺産であり、その価値がどこにあるのかっていうことを考えてみるのも面白いのではないでしょうか。

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