未来の日本に起こること。-内閣府「2030年展望と改革 タスクフォース報告書」を参考に-

9295d37747809e2ad04e0d6731e3bc0e - 未来の日本に起こること。-内閣府「2030年展望と改革 タスクフォース報告書」を参考に- コラム

2年ほど前、内閣府より「2030年展望と改革タスクフォース報告書」が出されました。

内閣府が考える日本の問題と将来に向けてどのようなことに取り組もうとしているのか、そんな情報が盛り込まれています。

日本には何が起こると予想されていて、どんな方向に向かっているのか、ちょっと考えていきましょう。

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絶対に起こること。

日本の場合

人口のバランスが変わる。

日本は明らかに減少していきます。放置されていたわけではなく報道もされていますが、全ての人はこれを認識しておく必要があります。

2030年にかけて20代・30代が20%ほど減少するなど生産年齢人口の減少が加速。2015年から2030年で935万人も減ることになります。

75歳以上の割合は40%ほど増加する見込みです。そのあとは減少に転じるとか。増え続ける東京の人口ですが、2025年には1,400万人となり、ピークとなります。

人口が減れば生産力が落ちる、購買力が小さくなる。国として経済的に縮小することは必至です。

胃袋も小さくなるので食品業界にお勤めの私としても放ってはおけない。とはいえ放っておく以外どうしようもないのだけれど。他の業界だって同じこと。端末とかの絶対的な必要数が減る。

食品のような財の市場を減らさないためには?

これまでよりたくさん消費させる。いや、難しいな。新たな食品を作る。いや、食品だと限界があるな。とりあえずちょっとブランド変えて何か作ってうまくマーケティングするか・・あとは機能性食品とか付加価値が高そうなものでも作っておくかな。

利益を減らさないためにはコストダウンをし続けよう。通りで最近は板チョコとか目に見えて小さいわけだ(必ずしもこれが理由ではない)。

買収でもして、業界整理しますかね。

あ、どれも従来通りだ。

スマートフォンのような耐久消費財の市場を減らさないためには?

一人に複数使ってもらう、買い替え需要を高める。そのためには複数必要な環境を作るとか、ソニータイマーみたいなものを埋め込むとか、コンスタントにマーケティング活動を行なって買い換えしたくなる環境を常に作り続けるとか。

両方減らさないためには?

人口を増やす(by政府)。

その方法は?

出生率増加施策。いや無理だ、時間がかかりすぎるし逆行している。これまで取り組んできたけどうまく実っていない。

しょうがない、外国人労働者でも入れるか。はい、外国人労働者の受け入れ拡大決定!

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内閣府「2030年展望と改革タスクフォース」参考資料より。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/2030tf/report/reference.pdf

世界の場合

一方、2030年、世界の人口は85億人になると推定されます。これは新興国を中心に人口が11.5億人増大するため。

一方で欧米先進国、中国だけでなく、タイやマレーシアなどASEANの国々もオーナス期と呼ばれる生産年齢人口比率が低下時期に入っていくと見込まれます。

ですが、中国を含めたアジア地域では中間層の増加と都市圏人口の拡大も見込まれており東南アジアを中心に良好な外交関係を結んでいる日本は優位な立場とも言えると思います。

2021年にはヨーロッパの人口が7.4億人となり、ピークとなります。

2023年、世界の人口は80億人に。東京都の人口がピークとなる2025年、インドの人口が中国を抜くと試算されています

TPPとか新たな経済圏はこういった人口動態も背景なのでしょう。

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2030年の目標

2030年という節目の年には世界の人口が85億人に達していると予測されます。

パリ協定

この年にはパリ協定の下、日本は地球温暖化対策計画で2013年に対して26%の温室効果ガス削減が求められています。ご存知とは思いますが、アメリカはこのパリ協定から離脱済み。

SDGs

国連が定めるやつ。以前の記事、こちらご参照いただければと思います。

日本をどこに向かわせたいのか

こういった背景があるため、こんなことに力を入れると仰っています。

1:シェアリングエコノミー

日本の生産人口が減ることを背景に、シェアリングエコノミーを進展させるといっています。IT技術が広がっていくからこそできること。

東京や大阪、名古屋という巨大都市をいくつも持つことも対面型のシェアリングエコノミーが発展していくドライブフォースともなりうるでしょう。ただし、うちの会社は副業禁止。

2:第4次産業革命をめぐるグローバル競争の激化

第4次産業革命とはAI、ロボット、IoTなどのことらしいです。

劇的な労働・生活環境などの変化が推察されるため産業革命という表現を使っているのだと思われます。これらをめぐる標準化、規格化で日本が先頭に立てるかどうか。

これはイマイチ浸透していない「Society5.0」につながる重要な社会的なパラダイムシフトを伴うものです。

日本はこういったことに投資をしていくんですね。

3:資源・エネルギーへの需要増加と安全保障の観点からの対応

現在中東とよろしくやっている日本ですが、人口増大と世界的経済成長のもとで、資源やエネルギー、水、食料などの世界的な大幅増加が予想されています。安全保障の観点も見落としてはなりません。

日本の場合、資源やエネルギー、食料は外国頼み。新興国での需要が多くなるのは必至なので、その中で日本はどのようにこれらを確保し続けるのか。

安全保障を含めた外交努力、関係強化を続けていくことが望まれます。俺も関わりたい。それ関係の方読んでいたら声かけてください。

4:サイバーセキュリティ上の強化

まぁ気をつけよう。

5:インフラ・家屋等の老朽化・遊休化

2030年には多くのインフラが築50年超になり、そのメンテナンスなどに莫大なコストがかかります。

新しく作る、もしくはもう作らない。ここでもIoTのようなものが組み込まれ、必要なタイミングで必要なメンテナンスが実施されるようになれば無駄なコストなく維持・管理ができるでしょう。

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この内閣府の2030年展望と改革 タスクフォース報告書、非常にわかりやすくどこに向かうか、何をしたいかが書かれています。

社会人の方も、学生の方も、今の政府の動きや未来を理解するためにも読んでおいて損はないです。

確実に訪れる2030年、あなたは、私は、何をしている?

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