公開日: 更新日:

旅のはじまり(2)

旅のはじまり(2)

結構海外の空港は人の名前をつけたがる。トルコの国際空港は建国の英雄アタチュルクだし、フランスパリはシャルル=ド=ゴールだ。ニューヨークはジョン=F=ケネディ、シカゴはエドワード=オッチ=オヘア、キューバのハバナはホセマルティ。ちなみに高知は坂本龍馬だ。

一方で見ればその国を象徴する英雄。しかし逆からみればけしからんことも多いだろう。つまりシャルル=ド=ゴール氏はドイツ人から見れば「なんとー!」という可能性だってある。

 



Booking.com

 

そんな中、ヘルシンキ=ヴァンター空港のヴァンターは地名である。ヴァンター市にあるらしい。ヘルシンキ=ヴァンター空港はさしずめ東京=成田国際空港といったところか。

 

そんなしょうもないことを考えるぐらい特に大きなトラブルが起こることなくヘルシンキに到着した。

フィンエアーのマリメッコデザインは北欧を感じるワクワク感があった。食事は普通だったが、デザートにスーパーカップのバニラアイスが出されたときは嬉しかった。パーソナルモニターのコンテンツは残念ながらからっきし覚えていないが、覚えていないぐらいきっと大したことがなかったのだろう。

だが、前述のノイズキャンセリングイヤホンは本当に驚きだった。研究室の案件でドイツに行った時も卒業旅行でトルコに行ったときもヘロヘロだったことを記憶している。しかしこのイヤホンを使ったところ疲れは半減。高かったがサポートもすごいため購入してよかったと思う。



Booking.com

・・宣伝することが本稿の目的ではない。続けよう。

 

イミグレ。

結構長い列で待たされた。これまでの少ない経験ではイミグレは本当に適当で、予定等を聞かれたことは全くなかった。しかし当時は別に情勢が悪かったわけでもないがヘルシンキではいくつか質問された。待たされるわけだ。

 

「どこ行くの?」

「ヘルシンキ、ラトビア、エストニア」

「何日間?」

「ヘルシンキ一泊、明日にはラトビアに飛んで、そっから頑張ってまたヘルシンキに来る」

「何のために?」

「観光」(旅はそれ自体が目的だ!!!←そういうことではない)

「一人で?友達は?」

「一人ですが何か?」(一人で悪かったな)

 

肌寒い空港の中、そんな質問を受ける。形式的なのはわかっているけれど、ちょっとでも英語でコミニュケーション取れると嬉しいものだ。

スマートフォンの電源を入れ、LINEを確認する。親から心配だというメールが来ていたが、ありがたいと思う反面、26にもなってそんなに心配していただかなくても良いという本音もある。

 

ヘルシンキ中央駅までバスでおよそ45分。調べたところ、2015年には電車でダウンタウンまでアクセスできるようになったようだが当時はバスしかなかった。おそらく工事中だったのだろう。私は電車がある場合、原則それを率先して使用することにしているのだ。

大きくも小さくもないスーツケースを引き上げ、出口に向かう。特に何も考えず、バスのマークがある方に向かってみる。とりあえず一番長い列に並べばダウンタウンまで連れて行ってくれるだろう。

 

同じ便できたと思われる日本人が大勢いた。女子たちが

「ヘルシンキのカフェ食べ歩きとかよくない?」

「めっちゃ可愛いんだけどー!」

とか喋っていて、正直羨ましく感じる。

 

この時の自分は、まだ一人旅の楽しさを全く知らない。



Booking.com

 

* * *

 

そんなこんなでなんとかバスに乗り込み、ヘルシンキの中心部についた。一応スマートフォンは使えるようにしているし、ホテル周辺の地図もプリントアウトしてきた。

今思えばオフラインで使える地図アプリもあるし、Wi-Fiなんて旅でほとんど必要ない。今の自分だったらプリントアウトはしない上、わざわざモバイルルーターも借りない。とはいえ初めてだと念のためが強くなるのは必然的なのだろう。

 

ホテルのホームページに書いてあったトラムになんとかして乗り込み、ヘルシンキの街並みを眺める。

ヘルシンキのファーストインプレッションは重厚な作りの建物が立ち並ぶしっかりした街。駅前は大きなショッピングモールが立ち並ぶが、建物の質は日本と当然異なる。緑色のトラムが黄土色の街並みを縫うように進んでいく景色はなかなかなものだ。石造りの建物のグランドフロアは北欧デザインのおしゃれなインテリアとかファッションがディスプレイされていて、洗練されていると感じた。

ただし人々は歩きタバコをガンガン吸っているし、そういう意味で北欧のイメージは多少変わったと言えるかもしれない。

 

この時の私にとってヨーロッパは2回目で、学生の時にドイツのボンとケルンに行った程度であった。建築に全く詳しくない私にとって、ヘルシンキもボンやケルンとも建物の外観の違いは明確に説明できない。街に路上駐車が多いのは同じだ。ケルンは駅からほど近い大聖堂を中心にした繁華街が広がっているが、ヘルシンキは聖堂が駅の目の前とは言わずエリアが広いためか密度として高くない。

 

そんなことを考えながらホテルに到着した私は日本の友人からタイムリーのかかってきた電話に出て取り止めのない話をする。ヘルシンキは日の入りが21時ぐらいになること、これからサウナに行ってみようと思っているとかそんなこと。

 

そして私は観光に出ていく。