コレクティブインパクト(Collective Impact; CI)という言葉を聞いたことがあ流だろうか。
聞いたことあるといわれれば聞いたことがあるし、初耳といえば初耳だ。
コレクティブインパクトとは?
コレクティブインパクトとは企業、政府、NGO、大学などが組織の壁を超えて社会的課題の解決を目指すアプローチのこと。
2011年にJohn KaniaとMark Kramaerがスタンフォード大学が発行する雑誌、 Stanford Social Innovation Re-viewで定義した概念。
コレクティブインパクト達成のための五つの要素
彼らが報告した論文では下記五つの要素を満たすことが重要とのことである。
(1) Common agenda;共通のアジェンダ
社会をより良くするためのビジョンを共有すること。そのビジョンには問題点の解釈や問題解決のアプローチが含まれる。
(2) Shared measurement system;共有された評価・測定システム
参加している全ての組織が指標を持ってその成功を測り、報告することに同意していること。
(3) Mutually reinforcing activities;相互に強化し合う取り組み
多様なステークホルダーの理解があること。互いの強みを生かし、補完し合い、連動できること。
(4) Continuous communication;継続的なコミュニケーション
継続的にコミュニケーションを行うこと。
(5) Backbone organization;取り組みを支える組織
活動をサポートする独立した組織(人)があること(いること)。その組織はは6つの役割がある。Guide vision and strategy(ビジョンや戦略の先導); Support aligned activity(活動の足並みを揃えることのサポート); Establish shared measurement practices(共有された評価システムの構築); Build public will(周囲の考えを醸成する); Advance policy(政策を進める); Mobilize funding(資金の拠出)。
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例:世界史の受講者が減っている
シンプルな例で、以前予備校の先生が話していた上記問題を例に挙げてみます。
(1)共通のアジェンダ
まず何をするかの前に課題を共有すること、そしてビジョンを共有する。この例で行くと「世界史の受講者を増やす」。
(2)共有された評価・測定システム
各々の組織の評価ポイントを挙げる。
(3)相互に強化し合う取り組み
非営利セクターでは何ができるのか?例えば世界に目を向けるボランティアツアーや国内で世界に触れ合うもの、歴史的背景がないと理解できない状況等を提案してその場を提供することなどはいかがだろうか。
企業などの営利セクターはそのための企業見学やそこに広がるビジネスチャンスを見せる。世界史を学ばなければできないビジネスがあることを紹介するなどはいかがだろうか。
教育の立場としては世界史を面白くするため例えば旅好きの先生に特定の地域を話してもらう、それだけでも効果があるのではないか。
互いに強化できる施策にする必要がある。
(4)継続的なコミュニケーション
報告の場を設ける。SNSを活用し続けるなど。
(5)取り組みを支える組織
モチベーションのあるものが先導すること。
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コレクティブインパクトの概念が伝わっただろうか。私もぜひ関わりたいものなので、興味のある方は声をかけてください
原文はこちら。
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