【屋久島 宮之浦岳(3)】宮之浦岳の登頂と縄文杉・白谷雲水峡に関するピークエンドの考察

IMG 9265 scaled - 【屋久島 宮之浦岳(3)】宮之浦岳の登頂と縄文杉・白谷雲水峡に関するピークエンドの考察 旅行記

ピークエンドの法則というものがある。

ざっくりと言って、最後の方がよければ、序盤中盤の大変だったことの印象は薄れていい印象のまま終わるよ、とかいうわかりやすい法則だ。

なので物事の最も華やかなところは終わりに持っていくのが好ましいわけであるが、わかっていてもできないのが物事なのだ。よもや、自然が絡んでくることなどどうしようもない。一方で知らんうちにピークエンドで終わることもある。

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1936mの宮之浦岳の山頂は当然森林に覆われているはずもない。一方で雲は簡単に覆うようだ。晴れたらさぞ眺めが良いだろうと、信じられないなう。

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台風一過を願って今日登頂にリスケしたのであるがどうやら無駄だったようだ。

とにかく8月でも山の上は寒い。2000m近い山である一方で屋久島の生態の垂直分布の話も有名で寒いことは容易に想像がついたが、心頭滅却しても寒いものは寒い。

頂上は割と広い。がそれも釈然としない。雨は全然止みそうにもない。

「早く証拠作って降りようか」誰かが、または私が言ったが全員同じ思いだろう。

私はこれまでほとんど取り出さなかったミラーレスカメラをかろうじで取り出し、登山普段はしないのに忙しい中来てくれたリスペクトするKさんの写真を撮る。GoProを使いこなすHさんに集合写真を撮ってもらう。

GoProのシャッターと共に「60座目、おめでとう!」と、百名山60座目という破天荒っぷりを見せるメンバーに賞賛を送った。

では、一刻も早く降りよう。

ここで私たちは3人ずつのふたチームに別れ、半数はピストンして下山、私を含む半数は新高塚小屋で一泊して縄文杉の方へと降るのだ。

しばらく会えなくなるKさんに「一緒に登られて嬉しかったです、また旅にいきましょうね!」とボンボヤージュした。Kとはしばらく会えなくなる上、一人早くこのまま屋久島を離れてしまうのだ。

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私たちは下る。

「Kさん達、同じ道降るの大変だよね・・・」

と言いながらも、私たちの方も登山道は相変わらず水で浸されており歩きにくい。

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宮之浦からほんの少し新高塚小屋の方に歩くと、やや視界が広がった気がする。ガスに包まれながらも稜線がようやく想像でき、海上アルプスと言われる所以がわかってきた。海上アルプスの山容は相当美しい。全然見えてないけど。

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「靴、中まで浸水してる?」と聞いた。

当然していると声が返ってきた。私はラッキーなことに一枚皮のハイカットの登山靴に、今回のメンバーで唯一ゲイターを装備していたこともあり浸水はしてこなかった。

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「あそこに見えるのは小屋ではないだろうか!」

森の中も含めて4時間ほど歩いただろうか、新高塚小屋に着く頃には雨が上がり、青空も見えるようになってきていた。

「わー晴れた、着いた!!」

私たち3人は大喜びだ。やっぱり、成し遂げた感がある。

避難小屋で思い思いの昼食を取り、テントを張るなり濡れた衣類を乾かすなり、スマートフォンを水の中に落とすなりして、続けてお茶をし、その後に夕食を食べた。

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19時ごろ、眠ることにした。

「全然眠たくない」と言っていたGoPro使いのHさんは、隣のテントからすぐにいびきが聞こえてきた。

夜、星が美しかった。

ペルセウス座流星群がピークに近づいた夜。私は流星を見られなかったが、カメラはちゃんと捉えていた。

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翌朝、晴天の中、縄文杉、白谷雲水峡と予定通り巡った。縄文杉は登ったばかりの朝日に輝き、荘厳な空気を醸成していた。

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トロッコ道を歩き、白谷雲水峡に向かう。

「あれ、昨日の」

突然、すれ違うお兄さんに話しかけられた。宮之浦頂上手前で会ったお兄さんだった。娘と、妻と思われる二人と歩いていた。なんとも、微笑ましかった。

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物理的な意味でのピークエンドはともかく、テント泊以降は非常に爽やかで、ちゃんとエンドにピークが来たのであった。

下山した私たちは2人と合流して、温泉を探し回り、飛び魚の唐揚げやソフトクリームを食べた。それはまた、別の話であるのだが。

(了)

ちなみに、カメラ用の雨よけとしてこんなのものあります。

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