【北海道 道東登山旅(3)雌阿寒岳】北海道の絶景を。活火山 雌阿寒岳の登山

DSC07367 scaled - 【北海道 道東登山旅(3)雌阿寒岳】北海道の絶景を。活火山 雌阿寒岳の登山 旅行記

最終日だ。

最終日に登山というのは漠然と緊張する。私は多少天然なところはあるという説もあるのだが、メンタルが強いわけでもなくおそらく鈍感な方でもないと信じているため、こういうときは落ち着かない。飛行機になる際に空港にも早めに行ってしまうタイプの真面目でおとなしい人間だ。

そんなことはどうでもいいのだが、この日は雌阿寒岳に登る。

阿寒岳は雌阿寒岳と雄阿寒岳の二峰あるっぽいのだが、深田久弥氏の日本百名山的にはこちらの雌阿寒岳をして百名山とすることが一般的らしい。当該書籍を読んだことがあるわけではないのだが、聞いた話によると八ヶ岳という山塊を一つとしてカウントしていたりするとのことで、厳密なものではないのだろう。私の手元にある百名山手ぬぐいにも「八ヶ岳」や「阿寒岳」と行ったふうにしか書かれていない。

いただいたパンフレットには以下の三つのルートが掲載されている。

①阿寒湖半コース 6.0km コースタイム6時間5分

②雌阿寒温泉コース 3.3km コースタイム4時間10分

③オントネーコース 4.2km コースタイム4時間50分(阿寒富士も行くならばこのコース)

阿寒富士も登りたい気がしてオントネー温泉だかの方から登るか迷いあぐねたが、②の最短ルートにしておいた。阿寒富士と雌阿寒岳山頂の両方を行くとなると70分ぐらい時間が余計にかかってしまう。

平たくいって面倒臭くなったため、この日は特に時間が限られていることを言い訳にして最短ルートを目指して雌阿寒岳を登ることにする。

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【この日の登山】

4:30 登山開始(雌阿寒岳温泉登山口ピストン)

6:00 山頂

7:45 下山完了

* * *

無事、朝に起きることができた。

昨日どんちゃん騒ぎしていた若い衆には痺れを切らしていたが、どうやらいつの間にか眠られていたらしい。シュラフは持ってきていたがテント内は十分暖かかったためシュラフカバーとシーツという組み合わせで眠られた。結局シュラフを使用したのは初日の羅臼岳麓の木下小屋だけである。

3時半。予定よりは遅いがまぁ十分であろう。もうかなり明るく、ヘッドライトなしで撤収作業ができる程なのは驚きだ。なお当初の予報だとこの日の天気は崩れるということであったが、天気は曇りといったところ。雨の匂いは感じられない。

テントをざっと片付けてクルマに押し込み、登山口に向かわせた。クルマを持っていないながら一人でレンタカーを走らせるのが4日目になる。コスパ悪いながら我ながらよくやる。いや、ここでいうコスパを考えると自動車を所有するよりもはるかに安価であるため是認すると決心しているのである。

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雌阿寒温泉登山口までは整備された道をクルマで20分ほど行くと着く。登山口の駐車場にはクルマが何台か泊まっている。日帰りで行ける山でテント場もないのに、よくわからない。

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ざっと装備を整え登山モードに入る。登山口にある登山名簿に記入する。この北海道登山旅は三座目になるわけであるが、この登山名簿はあくまでも名簿で、ひとグループが一枚のシートに記入するスタイルではない。つまり他の人の住所等が丸見えなわけだ。そんなことはどうでもいいのだが、当日に私より早く登り始めた人は数人いるようだ。せっかちな人もいるもんだ。

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登山口は森の中を歩くところから始まる。明るいからいいものの、これで暗かったら枝とか根っこに足を取られてしまう。

まぁ普通の登山道だ。

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一時間ぐらい経っただろうか、ある程度登ると低木に囲まれる。高山植物が目立ち始める。

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7月の頭にはメアカンキンバイ、メアカンフスマといった名前から察するに固有種が咲くようだ。他にもコマクサ、ヒメイワタデ、コケモモ、エザイソツツジ、イワギキョウ、イワブクロ、ミネズオウ、イワウメ、エゾノマルバシモツケ、ハクサンシャクナゲ、センダイハギ、ゴゼンタチバナといった高山植物が見られる(とパンフレットに書かれている。パンフレットには写真もあるのでどうぞ各自手元に雌阿寒岳をお楽しみください)。

八合目を越え、さらにいくとガレ場。歩きにくい。グローブがあった方が良い。

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火山といった感じ。振り返ると雄大な北海道の自然。国立公園というのもうなづける、最高の自然だ。どうしてもカナダのモントランブランのことを思い出してしまう。

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途中、下山してくる女性の玄人っぽいとすれ違った。

「頂上、すごく風が強いし火山ガスがあるからゆっくりできなかった」とのことである。それは困る。

さらに行くと火口っぽいのが見えてきた。3月だかに行った高千穂峰をなんとなく思い出す。火山あるあるなんだろう。

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頂上。確かに風が強く帽子が飛びそう。誰もおらず、広く使える。懸念していたガスを感じないのは私が鈍感なだけだろうか。

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パノラマの絶景。阿寒富士が雄大に聳え立っている。

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ここでローソンで買ったおにぎりと緑茶を飲み、ひと息ついた。

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結局頂上では誰にも会うことなく、下山路に着いた。

「あ、昨日の」

羅臼岳、斜里岳で会った横浜から来たという三人組に会った。一番短いルートを選んだため必然である。

「頂上、風強いんで気をつけてくださいね。絶景ですよ」

「お気をつけてー」

といった感じで別れを告げる。最後に会えて清々しい気分だ。

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さらに下っていくと人の良さそうなおじさまが登ってきた。ソニーのカメラを持っている、だけではなくよくみるとさらに大きいカメラをもう一台持っているではないか。

「もう下るんですか、早いですね」

話かけられた。

「はい、風強かったです」

「そうなんだー、上でドローン飛ばそうと思っていて。百名山もう登り終わったから今二百名山目。今日は百名山ですが昨日は違う山に行っていました。虫が多くて大変だった、聞けばこの時期は雪解けでかなり虫が出るとか」

そういえば昨日の斜里岳も結構虫がいた気がする。何も考えなかった。

「それでは良い登山を」と別れを告げる。非常に雰囲気の良い方で、空撮をどこで見られるのか聞かなかったことを別れた瞬間に後悔した。

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下山では多くの人にすれ違うことになるのだが、「もう登り終わったんですね、早いですね」と次々と声をかけてきた。登山は朝なのだ。

* * *

夏の初めの北海道登山旅が終わる。

一人で(わざわざ遠征して)山に登るなんて思っていなかった。

同僚に禁断症状と言われているが、甘んじて受けるしかない。

思うように海外に行けない日々が続くが、悶々としながらもやれることを少しずつやっていこう。

(了)

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