天草といえば一揆であり、隠れキリシタンである。それぐらいしか知らないことも問題なのだが、中学の時から日本史に触れていないとそういうことにもなろう。だがこれはひとつ大きな問題ではないだろうか。歴史を知ると旅は楽しくなる。
そんなことはどうでもいいのだが、たこ焼きを食べた。
* * *
阿蘇への短い一人旅を終えた私は、熊本空港で熊本ラーメンを食べて友人の合流を待った。熊本ラーメンは豚骨に鶏ガラを使用し、ガーリックチップを加える。鶏ガラを使用しているため博多ラーメンに比べてマイルドという(Wikipedia )。
そんなこともどうでもいい。
無事合流した私たちはクルマに向かう。友人の持ってきた釣竿の存在感がすごい。クルマに入ってよかった。
「この空港って綺麗だよね。そして妙に車椅子用車両の駐車場が多い」
そうなのだ、この空港の駐車場の動線はペーパードライバーの私にとってはなんだか難しい。ターミナルの近くには10台以上だろうか、車椅子用車両の駐車スペースがある。それだけならわからないではないが、メインの駐車スペースにも車椅子用車両のスペースが10台分ぐらいある。バリアフリーで素晴らしい、ということにしておこう。
合流した我々の次の旅程は天草だ。天草に行ってたこ焼きを食べて教会を見る。そして島原半島に行ったのちに雲仙を登り温泉を満喫する。そして五島列島の福江にいく。素晴らしい計画だ。
ということでまず我々は西に向かう。
道中は特に何もないので割愛するが、とりあえず不知火(しらぬい、しらぬひ)の道の駅で柑橘類を爆買いしてはんぺんやら練り物を食べた。とにかく美味い。不知火は宇城市になる前の地名であり、不知火という柑橘は清美とポンカンを掛け合わせた品種。不知火というくくりの中にデコポンが分類されることになる。デコポンは熊本県果実農業協同組合連合会(熊本果実連)が商標を持っており、糖度と酸度が定められている(九州の道の駅はこちら)。
「たこ焼き食べよう」
と友人が言っていた。知り合いが勧めてくれたたこ焼き屋さんがあるとのことだ。そこのたこ焼きが絶品で、メロンシェイクと合わせるとさぞいいらしい。
他に今日行けるところもなさそうなのでまずは目的地をそこに定める。
天草までの道は海沿いを走ったり内側を走ったりとなかなか面白い。私たちは2020年の辛さと海外に行きたくてしょうがない話、どこで買い出しをするか、駆け込みGoToで白い目で見られているとか我が道を生きているとかそんな話をしながらドライブをする。最高だ。
当初今日中に天草の教会にひとつぐらい行っておこうかと思っていたが、案の定全く無理だ。不知火の時点で無理だ。一応自分の中でBプランとして持っておいてよかった。
仲間たちも柔軟に対応できるのが旅人の強みだ。
「オッケー、一日遅らせてもいいよねー」
ぐらいの感じで日程を後ろ倒しにする。決定。
そんな感じで目的のたこ焼き屋さんに到着する。
「お、ここか」
高台の車道沿いにあるパチンコ屋だかスーパーだかに隣接する「たこやき大阪」なるもの。これを天草で食べるのか、期待が持てる。
私たちはたこ焼き、タコネーズ、メロンシェイクを発注する。さっき食べたばかりなのにここでも食べる。楽しい。ここにはイートインがなく、駐車場にクルマを放置して高台から堤防に降りていく。熊本の研究所だかなんかがある。堤防を机がわりに熱々のたこ焼きをほうばる。まぁ美味しい。シェイクもまぁ美味しい。まぁありだな。
* * *
その後私たちはありあけタコ街道なるところにたどり着く。宿がそこの近くなのだ。宿の近くに温泉もある。タコのオブジェもある。とりあえずオブジェと共にバカっぽい写真を撮り、スーパーに買い出しに向かう。焼酎天草。これがまた美味い。
「クリスマスパーティしよう」
とファミリーマートでケーキも購入して準備はばっちりだ。宿でご飯を食べ、温泉を満喫し(なんと露天風呂が某ウイルスにより使用中止!)、嵐の解散に思いを馳せ、三人でクリスマスパーティ兼1回目の忘年会をする。
そんなふうに私たちの旅の初日は終わっていく。なお、天草は麦ではなく米焼酎らしい。
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