エストニア。国歌、「我が祖国、誇りと喜び」。
2017年にバルト三国は「東ヨーロッパ」という分類から「北ヨーロッパ」という分類に正式に変わったという。
そんな最北端にある、エストニア。
エストニアの国旗
エストニアの国旗はどことなく美しい。ヨーロッパには珍しい彩色、涼しげなブルー。こういうやつです。
青は空・川・湖を、黒は大地と暗黒の歴史、白は雪・氷と幸福の追求。
2001年にノルディッククロスとするように提案されたが、採用には至っていない。別の記事に書いたように国連はバルト三国を北欧と見なしているが、このノルディッククロスの国旗が採用されなかったということは彼らのアイデンティティは北欧ではないということか。
IT大国エストニア
エストニアはIT大国だ。
スカイプを生み出したのもこの国家だし、2007年には国政選挙を電子選挙として実施している。
これらの背景には旧ソ連時代の国ごとに産業を割り当てるような政策(社会主義国際分業)があると言われており、その中でエストニアは軍事的に意味のある情報産業に力を入れる対象だった。他の国、例えばラトビアは造船などの工業を担当した。
この小さな国は再びロシアに占領されるかもしれない、という恐怖感から電子政府・国民IDの割り当てを行なったともきく。例えば占領されても電子情報が残る限り記録は残る。
納税などの行政に関わることのほとんどすべてがこのIDカードで完結する、未来国家とも言える。他、住民登録や病院の予約もでき、アプリ開発の授業は小学一年生からあるという。
この国のデータは国外にあるエストニア大使館でも保管されるとのことで、2018年にはルクセンブルクのエストニア大使館で始まるとのこと(こちら参照)。
2014年の時点ではバルト三国の中で最も経済は良好。他のEUでも問題となっているように労働力の流出は対応が必要だ。
エストニアの文化とか
バルト三国である地域は北欧・ドイツ・ロシアの文化が交わる文明の十字路。
様々な価値観が混ざり合い、非常に見応えのあるものが多い。その一方で、当然民族問題や言語問題といったものも残り続けている。それはまた別の機会に。
宗教
エストニア系住民はルター派が多数。ロシア系住民は正教会。
キリスト教が来る前からあったとされる自然信仰も大切にされており、融合されている側面もある。
首都タリン
エストニアの首都タリンは世界遺産にもなっている。
ラトビアの首都リガやリトアニアの首都ビリュニスもそれぞれ世界遺産となっているが、それぞれ全く違っていて非常に面白い。一番メルヘンなのがタリン。
花と唄の国
1869年から5年ごとにタリンで民族の祭典がある。
ソ連時代も途絶えることがなかったこの祭典はエストニア人としての民族意識にも深く関わっており、再独立に大きな影響を与えた。
1988年にタリンの野外音楽堂には25万人以上のエストニア人が民主化を求めて集結し、祖国の音楽を通じて心を一つにしたという。この動きがラトビア、リトアニアにも広がっていき独立の機運が高まり、流血なしで革命が成功。
ヘルシンキからタリンへのフェリー
タリンはフィンランドヘルシンキから船で行ける。
ヘルシンキから日帰りで行くことができるので有名であるが、宿泊して郊外やラトビアに足を伸ばすと面白いだろう。
TALLINK/SILJA LINEが運行しており、私もこれでタリンからヘルシンキに渡った。その他、Viking LineとEckerö Lineも運行している。だいたい2時間ちょっと。TALLINK/SILJA LINEはかなり快適なフェリーで、朝ごはんビュッフェとかでサーモン食べたりした。安くはないけど。
この地域に限ったことではないが、フェリーは季節により運行本数が大きく異なることが多いのであらかじめ調べて行くことがオススメ。
ちなみにタリンの旧市街地からタリンのフェリー旅客ターミナルまでタクシーで15分かからないぐらい。10ユーロぐらいだったかな。覚えてないですごめんなさい。
私の場合は朝早くにヘルシンキに行く必要があったのでホテルに呼んでもらった。
リガからタリンへのバス
リガからタリンはバスで4時間半ぐらいで移動できる。私が使ったのはLux Expressであらかじめインターネットで予約した。
タリンからサンクトペテルブルグとか、ビリュニスからリガ、リガからモスクワとかかなり国際線も充実。快適なバスなのでおすすめ。あー懐かしい。
エストニアはタリンだけだとヘルシンキから日帰りでもいけてしまう。でもヘルシンキより印象に残るかもしれない。
ぜひ足を伸ばしてみてください。
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