ちょっと前の本ですが、「嫌われる勇気」を読み直しました。
フィクションな対話形式で非常に読みやすいアドラー心理学の本です。面白い本なのでご紹介します。
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アドラー心理学とは?
アドラーさんはヨーロッパとか日本以外では有名みたいです。ユングさん、フロイトさんと三大巨頭に数えられるとか。
人は客観的な世界に住んでいるのではなく、自ら意味づけを施す主観的な世界に住んでいる。世界がどうかではなく、自分がどうあるか。
人は変われるらしい。
トラウマは存在しない。
例えば「実験に失敗して怪我をした。不安だから、実験をしない」というケース。
あらゆる結果には原因があって、現在の私(結果)は過去の出来事(原因)に規定されるっていうのが決定論的な話で、アドラーさんはこれは違うって言ってるとか。
過去の「原因」ではなく今の「目的」を考える。
「実験をしないために不安という感情を作り出している」って考える目的論が出てくるらしいです。つまり、ネガティブな感情で何かをしない、というのはそれをしないために、ってこと。
経験それ自体ではなく、経験に与える意味によって自らを決定している、とのこと。例えば旅好きな自分の場合は、旅の経験そのものではなく、旅に話題性とか世界観とか出会いとか自己成長に繋がるとか、そんなようなわけのわからない意味を自分で与えているってことだな。
過去の経験そのものが現在を決定しているのではなく、その過去の経験にどう意味を与えたか、が人生を決定するらしいです。ポジティブシンキングって大事だね。
今のままでいる方が楽
俺は変わりたいね。
誰しもが何か「変わりたい」と思っているもの(らしいです)。
幸せを実感できずにいるのであれば、「このまま」でいいはずがない。って書かれてます。じゃあ変わらなきゃ。
あなたが不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだから、らしいです。不幸であることが自らの善と判断した。と。
人は常に変わらないことという決心をしているとのことで、「今のままでいる方が楽、安心」っていうのが根底にあるとか。わかるわー。つまり、幸せになる勇気が足らない、って。
それができれば苦労しないという説はあるが、それをしなければ変わらないって。
対人関係って大変よね
短所ばかりが目につく
短所ばかりが目につくのは「自分を好きにならないでおこう」と決心しているかららしい。自分のことを好きにならない、自信を持たない方が傷つかなくて済むもんね。
たまたま同じコミュニティだから、という感じの人との飲み会とかは苦手だけど、それは他者から嫌われて対人関係の中で傷つくことを過剰に恐れているから。飲み会が苦手な目的は「他者との関係の中で傷つかないため」。
はい、そうです。
全ての悩みは対人関係の悩み
らしいです。内面の悩みなどは存在しない。
我々を苦しめる劣等感は「客観的な事実」ではなく「主観的な解釈」。劣等感は理想に到達できていな自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱く。
また「AだからBができない」という人は「Aさえなければ私は有能であるのだ」と暗示しているとのこと。
自慢する人は劣等感を感じているらしく、それを認めてくれないと恐れているらしいです。不幸自慢もある一点で不幸である、という点で人の優位に立とうとしているらしいです。
気をつけているけど、たまにやっちゃうなぁ。
そんな健全な劣等感とは他者との比較ではなく理想の自分との比較から生まれるもの。他社と比較すると世界を「敵」と見なすようになる。で、外に出るのがいやになって不安になって云々。
他者の幸福は私の負けとは違います。
人生のタスク
っていうとなんか哲学っぽいっていうかうさんくさいっていうか。
幸せになる勇気、それを持つには
行動面で(1)自立すること(2)社会と調和して暮らせること
心理面で(1)私には能力があるという意識(2)人々は私の仲間であるという意識
がなんか重要そうに書かれているので書いておきます。
「あの人」の期待を満たすために生きてない?
承認欲求の否定
「自分の価値」とはなんだ?
ゴミを拾うという行為。気持ちいいし、褒めてもらえるし。
でも「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない。他の人も「私」の期待を満たすために生きているわけではない。
片付けが苦手な人との実験室の共有。ルールはあるけれど「あの人」の期待を満たすために片付けるわけではなく、自分が使いたいようにやればいい(違
承認欲求があると、それにがんじがらめになって、結果他の人のために生きてしまって、自分に嘘をついて、他人にも嘘をつき続けることになる。
課題の分離
対人関係のトラブルは他者の課題に土足で踏み込むことで起こる。
ちゃんと動かない後輩の指導とかでも「これはあなたの課題でーす」って切り離せばいいのか。なるほど。
自分の価値を他者がどう評価するかは他者の課題であって、自分にはどうすることもできない(本当か?)。自分の信じる最善の道を選ぶこと、が大切。
でも自己中心的になるのは違う。
自由とは
「自由とは、他者から嫌われることである」。おおー。
他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り自分の行き方を貫くことはできない。つまり、自由になれない。
承認欲求にとらわれている人は他者を見ているようでいて実際には自分のことしか見えていない。「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける行き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイル。
褒めるという行為は縦の関係があるというわけで、対等ではないということ。褒められることによって自分には能力がないという信念が形成されていく。なので褒めちゃだめ。
承認欲求は自分を好きになりたい、自分に価値があるのだと思いたいという感情から生まれる。それを満たすには誰かの役に立っているという貢献感が欲しい。この貢献感は他者からの承認によって得られる。
つまり、「幸福とは、貢献感」。
お。
でも承認欲求を通じて得られた貢献感には自由がない。共同体感覚とやらがあれば、他者からの承認は消えます。
人生の意味は、自分自身で与えるものらしいです。世界は誰も変えてくれない、自分が変わることによってしか変わらない。
良書でした。
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