地図にはロマンがある。
世界地図然り、日本地図然り、道路地図然り、カーナビ然り、路線図然り。
そんな見る人を魅了してやまない地図、とりわけ最もロマンが溢れるのが世界地図。以下の地図を見てほしい。左上にはグレートブリテン島(イギリスのある島)、右下にはマダガスカル島がある。
さて、大きいのはどちらだろうか。
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メルカトル図法で見ることがそもそも間違っている!
よく見慣れた上のような長方形の地図、すなわちメルカトル図法であるが、ご存知の通り赤道から離れるほど膨れて見える。
球体を無理やり長方形で表現しているためそうせざるを得ないのだ。
以下の写真を見てほしい。
左側が地球儀表示、右側がメルカトル図法である。
北極圏に位置するグリーンランドはメルカトル図法では大きく引き伸ばされ、カナダやヨーロッパ大陸よりも大きくなっている。またカナダの形も左右で大きく違って見える。
そう、見慣れたメルカトル図法では地球は再現できないのだ。
成田からヘルシンキに飛ぶ?一番近いヨーロッパ?
メルカトル図法で見ている限り全然しっくりこない、ヘルシンキが「ヨーロッパの玄関」とか「最も近いヨーロッパ」(ロシアは除く)と言われる意味。
ほら、イタリアもドイツも大して変わらない。
しかし、この線は誤っている。実際、最短は以下のような形となる。
メルカトル地図上に弧を描くのである。これを球体で見ると一目瞭然。
球体の場合、ヘルシンキは最も近く、イタリアは案外遠いことになる。
そう、頭の中に描く世界地図では事実を正しく理解できていないかもしれない。
そして、やはり巨大な太平洋。
ということで、地球儀。
つまり、メルカトル図法ではどうしても誤って認識してしまうため、世界を理解するためには地球儀が必要なのである。
地球儀を選ぶためのポイントは以下である。
①国境が引かれているか
これは重要な問題である。一度買ったら相当長いこと使用される可能性が高い地球儀。地球はほとんど変わらなくても、国境は時に大きく変わる。
スコットランドはイギリスのままだろうか。ケベック州はどうなっただろうか。オセアニアの国々は独立しただろうか。
例えば、2000年以降に東ティモールや南スーダンが生まれている。
②凸凹しているか
地球儀は山脈等が凸凹する処理が施されているものがある。どれだけ正確さを求めるかは個人によるが、自然国境がわかるというのは一つ世界を理解する上で大きな助けになる。
③光るか
光らなくて良い。
④喋るか
喋らなくて良い。
⑤国旗はついているか
別で参照すれば良い。球体と結びつける意味がわからない。
⑥素材・色
アクリル、スチロール・・・インテリア重視であれば重要だ。現物を見て質感を確認するのが最も好ましい。
⑦軸の数は
軸は地軸だけだろうか、それとも自由に回るタイプだろうか。両者ともそれなりに実用性とインテリア性が備わっている。最も好みが分かれるところだろうか。
⑧天球儀がセットか
どちらでも良い。よっぽどのマニアしか見ないだろう。
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さて、地図により興味が湧いただろうか。なお、最も事実を歪めている地図は東京都内の路線図(特に東京都交通局)。
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