現在全世界にイスラム教徒(ムスリム)は18億人以上いると言われている。世界最大のイスラム教徒数を誇るのはインドネシアで、2億2000万人以上。ヨーロッパでも4000万人、中国で2000万人という統計がある。
日本のイスラム教徒は10万人から20万人であるが、時に社会人として、または訪日観光客、留学生と様々な形で日本の中にも存在する。
そんな彼らの重要なイスラムの食で重要なハラールについてご案内する。
ハラールとは?
まずは意味について。
ハラール(ハラル)【アラビア語: حلال Halāl 】とは「許されている」という意味。反対の言葉はハラームで「禁じられている」となる。
これらの言葉は食事以外にも使われ、窃盗のように禁じられていることは「ハラーム」である。

ハラームな食べ物
ハラームな食べ物、つまりムスリムが食べてはいけない食べ物について見ていく。
みんな知っている「豚」と「酒」
真っ先に思い浮かべるのが「豚」と「酒」。
豚は不浄な生き物として捉えられているため、食することは認められない。たまにいる飲酒をするムスリムであっても豚肉は口にしない。
酒に関しては程度の問題がある。酔ってしまった時の害が問題とされているため飲酒が避けられる。手指の消毒用の工業用洗浄のアルコールなどは避けるケースがあるが、割合としては下がる。

「豚肉」以外の「肉」
豚肉以外の肉では死んだ動物の肉やイスラムの方式に従って屠畜されなった動物の食肉はハラーム。
また例えばお酒を与えて肥育した牛肉もハラームとなる。

システイン
システインは人毛由来のものがある。これはハラームであり、避けなければならない。
注意するべき食材
ラードは豚由来であるためハラームである。豚由来のゼラチンはハラームであるが、牛由来の場合はシュブハ(疑わしいもの)とされる。
酵母エキス
酵母エキスは味のエンハンスなどに使われる。ワイン酵母など醸造用の酵母は当然アルコールを生産する。これら醸造に用いた酵母由来の酵母エキスはハラールとはならない。
パン酵母は醸造用ではないと考えられるためハラール。
醤油やパン
一般的には飲用のアルコールではないため問題とならないと考えられることが多い。
アルコールを意図的に入れておらず、また酔うとは考えられない。そのため基本的にハラール。一方で敬虔なムスリムは不可とする場合もある。マレーシアで醤油はハラームではない。
見解が異なるところなので公式な見解や個人の信条によるところが大きいだろう。

ハラールの広がり
ハラールの考え方は医薬品用のカプセルや化粧品、革製品にも広がりつつある。

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オリンピックや万博を控えた日本では訪日ムスリム観光客も増えるだろう。出身地や個人の信条によって見解が異なることが多いものであるからこそ、どのようなものがハラームとなりうるかを理解しておくことが必要だろう。
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