【東欧/トルコ/ウズベキスタン】文明の十字路とステレオタイプ。それ通りになっていない世界。

DSC5801 - 【東欧/トルコ/ウズベキスタン】文明の十字路とステレオタイプ。それ通りになっていない世界。 エッセイ

文明の十字路という言葉がある。

言葉通りに受け取れば東西と南北がクロスする地点であり、歴史的に見ればシルクロードによる交易と東西ルートとモンゴル・ロシアによる南下による侵略が当たると考えられる側面もある。

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これまで渡航した国々の中で顕著に感じたのは旧ユーゴスラビアに代表される東欧諸国とトルコ、ウズベキスタンである。

東欧の場合

旧ユーゴスラビアを初めとする東欧においてはビザンツ帝国によるキリスト教、オスマントルコによるイスラム教(ただしイスラム化は強要されていない)、ソ連による共産化がそれに該当するだろう。

東欧の特徴としてモザイク的であるということ。例えばトルコ系民族が集まる地域とそうでないところが分かれていたりする。北マケドニアはトルコ人地区があり、そこはトルコを想起させるマーケットとなっている。

ギリシャも例外ではなく、エーゲ海文明の影響もある上にトルコの影響も大きいため、見方によってはいわゆる東欧よりも十字路的である。ギリシャはトルコ系の食べ物や民族が思いの外多い。キプロスはそのギリシャ系とトルコ系が国境を隔てて分かれているため、首都のニコシアの国境通過では驚かされるだろう。

トルコの場合

トルコにおいては直接的にロシアと強く交易や歴史的に結びついたことはないため十字路とは言えないかもしれない。しかしアラビア半島を初めとする南のイスラム世界から文化が流れ込み、また遊牧民系のトルコ系民族が入り込んだことから十字路的である。

トルコは初めてであれば観光ガイド付きでいくことがおすすめである。文化が非常に深い国であり、例えばカッパドキアの地下都市に逃げ込んでそこでキリスト教を信仰し続けてきたこと、イスタンブールの歴史の勉強は宗教を理解する大きな助けになる。

国家としてはイスラム教だが比較的緩め。ヨーロッパの影響もかなり大きいため東欧よりもヨーロッパっぽい側面も見られる。

イスラム教が入る前はキリスト教であったこともあり、モスクはかつて教会だった様子が見られる。偶像崇拝が禁止されているイスラム教であるため、イエスや使徒の壁画は顔の部分が破壊されている。

民族的にはトゥルク系。トゥルク系民族は遊牧民が元である。

そんなトルコの食事は遊牧民系。トルコ料理と言ってしまえば想像は容易なのだが、外の遊牧民系の国から見れば「トルコ料理」という呼び方はいかがなものかとも思う。トゥルク人が作ったという意味でありなのだろうか。

ウズベキスタンの場合

ウズベキスタンはシルクロードのど真ん中にあり、中国の黄河文明とペルシャのメソポタミアをつなぐ重要な位置にある。さらに歴史的にモンゴルが入り込んだこと、ソビエト化が行われたことからも東西南北がクロスした十字路に位置する。

ウズベキスタンの主たる民族はウズベク人とされる。宗教はイスラム教。モスクにはミモレットがあり、ターコイズブルーのメドレゼがある。

食事は遊牧民系の羊肉が中心のケバブや乳製品。しかしオアシスに都市が形成されているためか農耕系の食である米料理も提供される。

しかし人を混乱させるのがウズベク人である。ウズベク人にはロシア系の白人やトルコ系の人がおりこの国の多様性を印象付ける。

* * *

世界は画一的ではなく、歴史を紐解きながら歩くとそういうことか、に気がつくこともある。

白人だってケバブばかり食べたりするのだ。

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