日本で棚田は棚田百選が選定されており、その一部は重要文化財保護法によって「重要文化的景観」に選定されている。
なお、棚田は英語で「rice terraces」と呼ばれ、それが畑だった場合は日本語で段々畑と呼ばれる。日本語っていいね。
千枚田は棚田の下位概念である。棚田を一望できる場合を千枚田という。今回は和歌山県、間違えた、三重県にある丸山千枚田に行く機会に偶然恵まれたのでこの記事を書いてみる。
なぜ棚田なんてものを作ったのか
棚田は実は農林水産省が定義しており、傾斜度が20分の1以上の水田を「棚田」として認定している。棚田として認定される場合、助成金が交付される。
棚田はその特徴からアクセスが悪く、労働環境としても優れてはいない。棚田自体の所有権も複雑であり、世帯あたりの工作面積が小さい上に、機械化もしにくいため放棄されやすい。
その一方でメリットもある。傾斜のない水田よりも風通しが良いことから害虫が発生しにくい。また向きによっては日照時間が長くなる。排水能力も高い。山にあるため水の質が良い、米が根を深く張りやすくミネラル分を九州しやすいなどがあげられる。また「棚田」という景観からのイメージから作物のブランド化やワサビなどの付加価値が高い作物を栽培する事例もある。
世界の棚田
棚田は日本特有のものではない。例えばフィリピンのバナウエにある棚田は世界遺産となっている。他には中国、ネパール、ウガンダなどにもあるようだ。
段々畑はスイスの葡萄畑やカナリア諸島のバナナ畑がある。
ペルー:マラスの塩田
変わり種だとペルーのウルバンバ渓谷に岩塩が溶けた湧水を溜めて食塩を採取する塩田(サリーナス・デ・マラス)がある。
マラスの塩田のすぐ横で売られているのは当然、マラスの塩としてお土産としてペルー国内のお土産物屋で購入できるほか、マラスの塩のチョコレートなども売られている。
このマラスというところはちょうどクスコ(マチュピチュの入口となるペルーの街、インカ帝国の首都)とマチュピチュの間にある。バックパッカーがケチってクスコからマチュピチュをバスや鉄道でビューンと行ってしまうとマラスは飛ばされる。
しかし、ちょっと時間に余裕がある場合はタクシーをせしめてクスコとマチュピチュの間にある数多くの遺跡をめぐるのも良い。
塩田なので、乾季に行った方が綺麗かも。
丸山千枚田はどんなところ?
丸山千枚田は三重県熊野市紀和町にある棚田で、数が約1,340枚あるという(別のソースには500枚程度となっていた)。日本一の棚田景観と三重県のWebサイトには書かれている。
400年前には2,240枚あったという記録があるとか。
実際行ったところ、こんな感じ。お手洗いもある。
こちらのサイトが非常に詳しく景観を描写している。
季節、時間帯によってはさぞ美しいだろう。
場所はここ。当然ながらアクセスは自動車のみで、JR熊野市駅から自動車で30分ほど。駐車場も一応ある。
ただ見るだけなので無料。無料なのはただの観光客にはありがたいことであるが、重要なコンテンツとしてマネタイズしていくことも考えねばならない(お土産以外の方法で)。
こちらも参考に。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
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