先日、カサデルインカで聞いた話によると、2020年へのカウントダウンのラッキーカラーはイエローとのことであった。
特に私は何も用意しなかったが、街の中では黄色の小物やパンツが売られていた。内側から幸せになるのも悪くない。
先ほどまで上で一緒に年越し蕎麦を食べていた日本人たちがカサデルインカのロビーに集う。
雨の対策として登山用の本格的なレインコートを羽織る者、ビニール袋に穴を空けただけのようなポンチョを被る者。
私は多少撥水効果があるレインコートにレインパンツを装備し、帽子をかぶって用意した。
クスコの街はこの時間にはとうに一桁の気温となっており非常に冷える。しかしながら冷たい雨が靴の内側に入るのは最悪なので私はサンダルを履くことにした。
私はスポーツサンダルにしたのだが、ビーチサンダルのようなサンダルを履く者もいるし、普通にスニーカーの者もいる。
一人だけヒールの高めの黒い靴とライダージャケットのようなしっかりとした格好よくきめた女性もいる。よく似合っている。そしてラッキーカラーの黄色の光るウサ耳も違和感がない。長期のバックパッカーでありながらこの用意の良さにはびっくり。気合入れすぎ。ピカチュウの帽子で可愛く決めた女性と対照的だが、二人ともしっかり似合っている。
その一方で男性陣。そもそも髭にメガネ、長髪となってきている者がいる長期の男性旅人たちはビニール袋のポンチョを装備。類似する装備の男性が三人集まった姿は、先ほどの女性の言葉を借りると「妖怪三人衆」。妖怪の単位は「人」でいいのだろうか。
* * *
「貴重品は置いて行ってね。スリとかいて本当に危険だから」
と宿のスタッフが忠告をしてくれる。
私は先ほど貴重品を入れたバッグに鍵をして、さらにワイヤーロックをして持っていかれないようにしておいた。カメラも置いて、持ち物はスマートフォンとタオルぐらいにしておいた。だが私の友人の一人は貴重品を持っていたが、まぁ本人の判断なのでこれ以上は言うまい。
スタッフに挨拶をして10人以上がぞろぞろと外に出る。
「足元滑るし怖いね」
とか当たり前のことを言いながら、雨の中、爆竹が時折鳴るアルマス広場に向かう。
カサデルインカから階段を下り、右に曲がってすぐに左に曲がって直進するとアルマス広場に着く。その左に曲がった道は日中でもいつも警察官がおり、そこにあるレストランだかバーが何かしらよろしくない場所であることが察しがつく。日中でも数名の警察官がいるその道は、今では10人ほどに増えており、何が行われている場所なのか興味深い。
そして、オレンジ色ににじむアルマス広場にたどり着く。
(続く)
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