好評だったので読んでみたゆげ先生の「構造がわかる世界史」が印象に残っていて、面白いのでご紹介いたします。
漫画形式で書かれていて、世界の大きな流れを知ることができる良書です!
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坂本龍馬とアメリカ南北戦争
薩長の新政府軍がなぜ旧幕府軍に勝てたのか?その武器の調達ルートはアメリカ南北戦争にあった!
ウサインボルトはなぜ早い
ウサインボルトはジャマイカ人。
黒人だから身体能力が高いのではなく新大陸出身だから!
なぜ、フランスは原発大国なのか
世界の銀行はイギリス、世界の高利貸しがフランス。
フランスの原発依存度は2011年の時点で77.7%。日本は18.1%。
19世紀、産業革命が起こったイギリスは都市に大量の人が流れ込んで賃金が安くなった。一方でフランスは農民が強く、国内の工場は増えず外国へ貸し付けたりする方が儲かると考える。
ペティ=クラークの法則(第一次産業から第三次産業に産業が発展して行くって法則)とかいうやつが世の中にはありますが、フランスは第二次産業をかっ飛ばして金融業へ。
だからフランスは工業の面ではアメリカとかドイツとかにガンガン抜かれて行きます。
そしてイギリスは自国の植民地にガンガン投資しましたが、フランスはロシアとか自分の植民地外にも投資(シベリア鉄道やスエズ運河)。
フランスはWW1でドイツが攻めてきたときにイギリスに助けられたりとか、スエズ運河をイギリスが守ったりとか、イギリスの軍事に依存していきます。
ドイツは20世紀初頭にはフランスを抜いて工業国に。そしてWW2では四週間でフランスを占領。
WW2後にはフランスは反省して国内企業の育成に力を入れたり、外交政策を変えたり。
エアバスに税金をガンガン入れたりコンコルド作ったり。そして外国への依存を減らすために食料も武器も自給自足。そしてエネルギー。中東やロシアに依存する火力ではなく、比較的世界満遍なく調達できる原子力政策をとる。軍事にもつながるしね。
ちなみにWW1中のロシア革命でロマノフ朝ロシアは崩壊してソ連に。ソ連はフランスからの借金を踏み倒す。
エジプトはWW2後にナセル大統領がスエズ運河国有化。ここから第二次中東戦争が起こります。結果はアメリカによってイスラエル・イギリス・フランスは撤退。
ヨーグルトで知る遊牧民の戦闘力
マルサスさんの人口論によると1人の食料に必要な面積比率は
米:小麦:草原=1:10:50
とのこと。遊牧民は食糧不足で争いが絶えず、戦闘力が高い。そんな彼らは略奪文化でヨーロッパまでくる。ゲルマン民族大移動とかイル=ハン国とか世界史にもがーんって残ってるよね。
トルコ人ももとはモンゴル高原にいた遊牧民と言われていて、彼らがペルシャ人の下に入ってイスラム化して、それを下克上的に乗り越えて、トルコ人が制服してイラン人が税金を取る。
そういう構図ができる。
エジプトのマムルーク朝とかブルガリアのブルガール帝国とかがこのタイプらしいっす。
中でも最強なのがオスマン=トルコ。
そんな遊牧民を通して広がったのがヨーグルトってことです。
EUの誕生。国民とは何か
2012年にノーベル平和賞を受賞したEU。その成り立ちは他の詳しいサイトに譲るとして、もっと根幹を探っているのがこの本。
もともとドイツ・フランスはアルザスロレーヌを三十年戦争(1618〜48)、普仏戦争(1870〜1871)、WW1(1914〜1918)、WW2(1939〜1945)とずっと取り合っています。
ドイツ→(三十年戦争)→フランス→(普仏戦争)→ドイツ→(WW1)→フランス→(ナチスドイツの占領)→ドイツ→(WW2)→フランス
って感じでした。それを共同管理しているのがEU。もとはヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)がベースになっているというわけです。
他にもコンテンツはあります。
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「構造の世界史」、普通の歴史の読み物とは違った切り口で取り上げてくれます。
非常に勉強になる読みやすい本なので、世界を理解して旅行を楽しむために、ご一読ください。
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これじゃないよ
こっちも読んでみよう。
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