【アルゼンチン エルチャルテン】赤く燃えるフィッツロイを見に行こう。エルチャルテンからロス・トレス湖にナイトハイクをした話(2/3)

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ひとり旅の移動時間や待ち時間、何をするかは非常に重要な問題だ。しかも旅なんてものは何か観光している時間よりも移動時間や待ち時間の方が長いと言っても過言ではない。

スマートフォンを見るのは控えるとして、せっかく遠い大地を眺めるのであればぼーっと車窓を見ながら物思いに耽るのも悪くない。音楽を聴くのも本を読むのも良い。Podcastで脳みそに何かインプットし続けるのも良いものだ。その道の人なら何かものを書いたり描いたりするのもいつもとは違う創造性が出てくるだろう。

移動時間も含めて、ひとり旅である。

そんな移動時間中にPodcastにて「不便益」に関する概念を聴いたことが印象的である。

不便益というのはその名前の通り、不便だから得られる利益といったことのようだ。例えば読みもしない新聞の配送購読をやめて毎日コンビニエンスストアでキャッシュを使用して課金してみると読むようになる、とかそんな行動経済学的な現象にも関わってくる。

バックパッカーな旅なんて不便益の成れの果てだ。

旅ではスマートフォンを使えるようになってしまったことが不便益を軽減させているが、それでも限られた情報や知識を活かして安価かつ効率的な行動する。全てがわかっていたら旅ではない。不便だから意義がある。

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午前11時ごろにエルチャルテンに着いてからはまずユースホステルに荷物を置いて食事をした。街は小さい。登山口の近くでない限り、どこの宿でも大体10分ぐらいで着くだろう。

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日本にいたときはどうせ肉は安いだろうからアルゼンチンで腹一杯アサード食ってワインたらふく飲んでやる、と意気込んでいたのだが、エルカラファテよろしく、この街もどうにも物価が高い。普通に肉を外食しようとすると30USDは下らない。誰かといるならまだしも、外で一人でガッツリ食べるのが気が引けてしまう。アルゼンチンの物価(というかパタゴニアの物価)を甘く見ていた。

この後の別の機会になんとか一度アサードを意を決して食べたのだが、この時点では店内では一食10USD相当ぐらいのサンドウィッチやエンパナーダ(餃子みたいな形をした巨大な生地モノ。ゼンチンでは中にチーズや挽肉が入る。)を食べた。あとはテイクアウトでサンドウィッチを食べるぐらいだ。つまり常に基本的にサンドウィッチだ。何泊もする旅であれば自分で料理ぐらいするのであるが、このスケジュールで動いているとそうもいかず、どうにも生きにくい。

のちに聞いた話であるが、ブエノスアイレスの闇両替的なところをうまく使うと公定レートの倍ぐらいのレートとなるらしい。さすがデフォルトを繰り返す信用なき国。

そこからは簡単なハイキングをして高いところからフィッツロイを眺めた。曇りやすいと聞いていたが、この日は晴れておりフィッツロイをしっかりと拝むことができた。

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ハイキングを終えてからも十分に時間があった。

そう、朝焼けのフィッツロイを拝むがテント泊をしないという選択をしたため、日の出の6時より前に目的地の湖についておく必要がある。登山口からのコースタイムが4時間とか5時間であり、登山口までが約20分とかだから24時前ぐらいに宿を出れば良いだろう。こうなると宿を押さえる必要があるのかとかも思ったが、事前に軽く寝たいしシャワーは浴びておきたい。荷物も置いておきたいためユースホステルを押さえておいた。

外食を繰り返すのは厳しいため、ハイキングから宿に戻るタイミングで適当にサンドウィッチを三つぐらいと水、食料を購入しておく。今日の夜ごはん、明日の朝ごはん(というか夜食)、明日の昼ごはんと行動食。日帰りであると考えると荷物がかなり少なくて済むからありがたい。

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宿で仮眠を取るとようやく22時半ごろになった。そこらへんで目が覚めてしまう、なんというか自分のこういう時の早起き性能が高すぎて困る。もうちょっとたくさん寝られればいいのに。

目覚めてしまったらもう眠れる感じではない。俺は渋々起きてサンドウィッチを食べる。食べるのだが、こういう時にお腹のリズム大丈夫かなぁとかそんなことを考えてしまう。デリケート。

やることもないので、俺はヘッドライトを首からかけて予定より早い23時すぎにユースホステルを出ることにする。今回連れてきたヘッドライトは日本で2000円ぐらいで買った安物だが、USBで充電できる優れものだ。優れものだと思っているのだが、どうやら値段相応であり、残念ながら普通の電池と両方で動く仕様ではないようだ。

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自分は何年も前に登山を始めたタイミングにヘッドライトを購入したのだが、それを海外で紛失した。またその後に購入したものもどこかで紛失した。回を経るごとにだんだん安いものになってきたが、なぜかそうなるとなくさない。悲しいものだ。

夜は特にパタゴニアの渇いた空気が肌を刺す。しかし12月のパタゴニアは思っていたほど寒くなく、冬の東京よりは断然暖かく、現時点ではダウンやフリースは必要ないぐらいだ。

ユースホステルから登山道まではホテル等がいくつもあり、外は存外明るい。まだ営業しているレストランもあり、はしゃぐ観光客の声も聞こえる。羨ましい気もしたが、そもそも自分の性格上そんなに騒ぐことはできない気もする。

そんな街を傍目に登山口に向かって歩く。

街の中の道路は舗装されているとはいえ、それは一部にすぎず、舗装されている道路の上にも砂が積もる。時折通り過ぎるクルマが砂を巻き上げる。

20分ぐらい歩くと、迷うことなく予定通り登山口についた。

さて、登り始めることにしよう。

続く

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