日本から最もアクセスが悪い地域の一つである小笠原。アクセス方法は東京都の竹芝から3日〜6日(シーズンによって頻度は異なる)に一便の小笠原丸のみで、玄関口である父島まで24時間かかる。
往復することになるわけで24時間×2を過ごす覚悟で向かわねばならないわけだ。
そんな小笠原丸の設備とより快適に過ごす持ち物をご紹介する。
小笠原丸の船内とデッキ
まずは小笠原丸のイメージを掴むための船内の様子とデッキの様子をざっくりと見ていく。
船内の様子
小笠原丸船内の床はとても可愛らしく、カラフルな絨毯が敷き詰められている。
小笠原の写真や環境活動の取り組みのポスター等が掲示されており、眺めているだけで楽しい。
デッキ
デッキの様子。
フロアがいくつもある。外に出られない時間も決められていたり、一部客室の前の空間は入られない時間帯があったりする。
小笠原丸の設備
続いて小笠原丸の設備を見ておこう。2022年現在の第三代小笠原丸である。
客室
客室はお金に応じて6段階かに分かれている。なおコロナ禍においては乗客人数を絞っている。
特等室(スイート):定員2名
- キングサイズベッド 1台(幅180cm 長さ200cm)
- バス、トイレ、テレビ、冷蔵庫、空気清浄機、ドライヤー、アメニティ類(室内着・スリッパ・タオル大小・ボディタオル・歯ブラシ・ヘアーブラシ・男性用カミソリ・コットン)、電気ポット、お茶・コーヒーセット
- 専用ラウンジ(無料でご利用いただけます)
マッサージチェアー、ドリンクサーバー(水・お茶・コーヒー)、水素水サーバー - 専用デッキ
特一等室(デラックス):定員3名
- シングルサイズベッド 2台(幅90cm 長さ200cm)
- ソファベッド 1台
- バス、トイレ、テレビ、冷蔵庫、空気清浄機、ドライヤー、アメニティ類(室内着・スリッパ・タオル大小・ボディタオル・歯ブラシ・ヘアーブラシ・男性用カミソリ・コットン)、電気ポット、お茶・コーヒーセット
一等室(スタンダード):定員2名
- シングルサイズベッド 2台(幅90cm 長さ200cm)
- テレビ、アメニティ類(タオル小・スリッパ・歯ブラシ・ヘアーブラシ)、電気ポット、お茶
特二等寝台(プレミアムベッド);全178床
- 上下二段ベッド(幅80cm 長さ200cm)
- 各席にテレビ、コンセント
- 上段同士または下段同士の2名が向き合う、ペア対面型の設計(カーテンあり)
- レディースルームあり
二等寝台(エコノミーベッド);全250床
- 上下二段ベッド(幅80cm 長さ200cm)
- コンセント付
- レディースルームあり
二等和室(エコノミー);全296床
- カーペット敷きの広間
- マットレス(幅75cm 長さ200cm)、上掛け、枕付
- レディースルーム・ファミリールームあり
支払えるお金次第ではあるが、二等寝台(エコノミー)は非常に快適。上段と比べて下段はかなり暗いためしっかり眠ることができる。
行きは二等和室、現地で疲れた帰りは二等寝台のように使い分けるのも良いかもしれない。
なおエコノミールームでも荷物置きが別途用意されており、邪魔になることはない。二等寝台の場合は荷物を近くに置くことができなくもない。
給湯室・売店
給湯室がいくつか用意されている。
カップ麺を作ることができるような熱湯を出すことができ、水も飲める。
飲料のほか、軽食やアイスクリームの自販機もある。
電子レンジもあるため簡単な調理もできる。
売店もあり、お土産のほか、コーヒーや軽食、電子レンジ調理可能な冷凍食品も売られている。値段もそこまで高くはない。
シャワールーム
シャワールームもある。非常に清潔感のあるシャワールーム。橘丸と違い無料。
タオルの持参は必要であるが、ボディソープとリンスインシャンプーあり。ドライヤーもある。
複数シャワールームはあるが、時間帯によっては混雑するためタイミングを見極めよう。
レストラン
結構広いレストランあり。どんぶり、麺類、揚げ物、定食等のメニューも豊富。麺類で1000円程度、定食で1500円程度とそこまで高くない。定食は非常にボリュームがある。
そして、美味しい。
海亀のお刺身も食べることができる。が、現地で食べても良いかも。
営業時間が決まっており、船内放送で営業時間はアナウンスされる。
なお、レストランの他にラウンジが二つあるが、一つは窓のない閉鎖的空間。もう一つは無料で使える空間で、スイーツ等の販売も行っている。乗客に対して席数が少ない上、コロナ禍で席を絞っておりキャパオーバーのことも。乗った瞬間酒盛りし始める人も。
その他の設備
その他の設備として新聞を読める空間、ペットルーム、キッズルームがある。ペットルームやキッズルームに関しては不明。貴重品ロッカーもある。
詳細は公式。
さて、何を持っていく?便利アイテム4選!
特に客室が特二等以下の場合はやることに困るかもしれない。
片道あたり睡眠時間7時間、食事を朝昼夜合計2時間、歯を磨いたりシャワー浴びたりで2時間、船内探検で1時間と考えると残りは12時間。これに加えて東京湾を眺めたり小笠原を眺めたりするのを2時間おくとあと10時間。案外短い?
ちなみにオフラインです。
そんなことはどうでもいいのだが、結局おしゃべりや読書(やPCでのオフライン作業)になってしまうのであるが、これらをするにしてもあったら便利なものをご紹介する。
①クッション(とミニテーブル)
存外便利だったのがクッション。デッキの床に敷いて、壁にもたれて本を読む。快適。ないとすぐにお尻が痛くなってしまう。
クッションは案外便利で、アウトドアの時にさっと取り出せると落ち着くため荷物が許せば持っていくと良いものの一つだと思う。価格も500円程度。
折りたたみのテーブルも良い。お菓子やお酒を置いたりするのに非常に便利。雰囲気が出る。こちらは
なおレジャーシートや椅子は使用を禁止されることもあるのでご注意を。
夜には結局居場所がなくなって寝るしか無くなるのだが。
②サーモマグ(蓋付き)(とお湯専用の水筒)
上述の通り給湯器があり、そこでお湯を入れることが可能。粉末のコーヒーやらなんやら等を持って行って船というのは揺れたりするため蓋付きがオススメ。
お湯専用の水筒を持っていくのも便利。おかわりをするときにわざわざ給湯室まで行かなくて良い。お湯専用であればとにかく保温効果が高いTHERMOSの山専ボトル900mLがオススメ。
あ、お茶うけのお菓子も忘れずに。
③ノイズキャンセリングイヤホン
船というのは飛行機同様エンジン音等が結構うるさい。ノイズキャンセリングイヤホンが結構便利。朝日や夕陽を眺めながらクラシックを聴くとか最高じゃないですか!!!
④アイマスク
旅人必携のアイテム。船に限らずゲストハウスやテント泊でも絶対必要。
特二等以下のカーテンのみの仕切りや雑魚寝の場合はあったほうが快適に眠ることができる。歯ブラシも忘れずに。
⑤雑誌(何も考えなくていいもの)
「本をたくさん読むぞ!」と思っていても飽きるから。
好きなジャンルの雑誌を1〜2冊持っていきましょう。雑誌じゃなくてもいいけど。
食事はどうする?
上述のように小笠原丸にはなかなか良いレストランがあるが、毎食となると安くはない。例えばこういうやり方もある。
往路
昼:カップ麺+おにぎり(本土で準備)
夜:小笠原丸のレストラン
朝:パンか小笠原丸のラウンジ
復路
夜:小笠原丸のレストラン
朝:パンやカップ麺(現地調達)
昼:小笠原丸のレストラン
いろんな組み合わせでコストと旅情のバランスの取れた至福な食事になると良い。
* * *
いかがだっただろうか。
小笠原丸から旅は本格的に始まっている。快適に過ごそう。
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