どうして日本人は「アラブの春」を知らないんだっけ?もみ消された?

e6e0a3a1b75ecf889f105e69ab38a8f7 - どうして日本人は「アラブの春」を知らないんだっけ?もみ消された? Tips

いっときはすごく報道された「アラブの春」。ツイッターなどのITから始まった革命としてメディアが一斉に取り上げました。

でも、ある時を境にふっと聞かなくなりました。

気が付けばアラブ世界はISの出現に内戦状態、アメリカやロシアも噛んで・・なんでメディアが取り上げられなくなったのか。

その真実に迫りたいです。

スポンサーリンク

「アラブの春」を知らないのは日本人だけ!?

日本人だけというのは言い過ぎですが、日本人は知らなさすぎです。

自分も報道されてたことは覚えている、ある時を境に聞かなくなったなぁぐらいです。

日本の世界報道自由度ランキングは72位(2017年)。韓国は63位、香港は73位。情報統制が厳しい国ということがわかります。

政府によってもみ消された、不都合なことがあったと推測することもできます。日本はアラブ世界と遠いようで近い。石油の依存度などを考えると中東なしでは国家の運営ができない。

日本政府が仲良くしている政権も革命域内にはあったと考えても良いでしょう。

安定な「王国」と不安定な「共和国」

第一次世界大戦後、中東はイギリスにぐちゃぐちゃにされます。

アラブ人を擁護するフサイン=マクマホン協定を1915年に、ユダヤ人国家を認めるバルフォア宣言を1917年に出す外交をします。しかしその間の1916年にサイクス=ピコ協定でオスマントルコを解体してフランス・ロシアとともに分割統治をする秘密協定を結びます。

イギリスのかの有名な三枚舌外交ですね。

これによって中東の悲劇は広がり続けます。

e6e0a3a1b75ecf889f105e69ab38a8f7 - どうして日本人は「アラブの春」を知らないんだっけ?もみ消された?

フランスの委任統治となったシリアとレバノンは共和国、イギリスの委任統治であるイラクとヨルダンは王国。

ヨルダンに至ってはまだ王制が続いていますし、他の中東諸国、サウジアラビアやオマーンは非常に安定しています。

王制、時に独裁政権となり民衆の自由が制限されがちですが、ある意味において安定感があります。イギリス。しかしうまくいかない場合、情報統制が厳しく貧富の差も広がりやすい。軍事クーデターなどで共和制を目指す動きが起こりうる。

一方でちゃんとした共和制。民衆が決めた大統領のもとで動きます。つまり自由が多く、民衆の暴動などが起こりやすい。フランス。今のシリアとかレバノンとかしっちゃかめっちゃかです。

どちらが良いかはその国民性や政治によりますが、一般的に王制の方が治安が安定することが多いのは上述の通り。

アラブの春が起こる前兆

アラブの春の前兆として2003年のジョージアのバラ革命、2004年のウクライナのオレンジ革命、2005年のキルギスのチューリップ革命。

旧共産圏の国々では次々と独裁者政権が倒されていきました。

アメリカのCIAが裏で動いたと言われています。

これらが、アラブの春に繋がっていきます。

スポンサーリンク

なぜ日本人は知らないのか。

アラブの春は2010年12月にチュニジアのチュニスの旧市街地、スークで起きた26歳男性の焼身自殺がきっかけです。この事件は非常に不条理にも思われる警察の対応にことを発し、ジャスミン革命につながり、アラブの春として翌2011年の1月から3月にかけて拡大します。

さて、その頃日本は。

中東の政権がメルトダウンしていくのを気にする余裕がなくなり、自国のメルトダウンに注力することになったのもやむを得ません。

アラブの春とはなんだったのか。

アラブの春はチュニジアからエジプト、リビア、イエメンへと広がります。押さえつけられていた自由を求める動きが活発化し、民主化を目指したわけです。

かつての新ソ連政権が次々と倒れます。しかし、シリアはアサドが率いる少数派のアラウィ派が多数派スンナ派を抑えていました。

しかし、イラク戦争が終わり、アメリカに追われたスンナ派はシリアに流れ込み反シリア運動に加わる。そしてシリアは内戦状態へ。

そして、ISへ。

シリアに流れ込んだ最大の勢力がIS(イスラミックステート)またはISIS(イラクとシリアのIS)。ISはサダム=フセインの残党と言われます。

イラクとシリアの国境を認めず、真のイスラム国家の建国を目指します。

そのISも下火。ロシア軍の介入がきっかけです。だからロシアが背後にいるシリアのアサド政権は敗れません。実際はロシアだけでなく、イラン、サウジアラビア。

* * *

某有名予備校教師の講義をベースに調査して書きました。先生、ありがとうございました。またこちらの書籍も参考にしました。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました